PR

 今回はコミュニケーションから少し離れるが、指紋に関する話。

 今年初め、日本から強制退去されたことのある外国人女性が指に特殊なテープを貼り、入国審査をすり抜け再入国していたとのニュースが報じられた。入国審査の指紋認証が破られたというわけである。

 ううむ、破られてしまったか。というか、破られたことが判明してしまったのか。海外番組から指紋認証のシステムがさほど強固ではないことを知っていたので、そんな印象を持った。また日本入国時の指紋審査については詳しくないのだが、入国不可リスト(ブラックリスト)との照合だとしたら、一致しなければパスなので指紋認証破りの難易度としてはさほど高くないのかもしれない。

 実は筆者はアメリカのドラマ「CSI」の大ファンである。犯罪現場から指紋や血液などの証拠を集めて科学的に捜査するドラマである。このドラマのおかげで指紋捜査に関しては少しだけ詳しくなった。いい機会なので今回は指紋採取についてのあれこれについて触れてみる。

 日米問わず、ドラマでも現実でも、犯罪捜査というと指紋採取が基本となる。その理由は安くて確実だからだ。指紋捜査はDNA鑑定ほど費用がかからない。ハケと粉、それから転写用の透明なテープなどがあればいいからだ。またDNA鑑定だと一卵性の兄弟は見分けられないが、指紋なら見分けられる。また一致しているかどうかは拡大してみれば一目瞭然なので、「(アメリカの)陪審員にも分かりやすい」という利点があるそうだ。

 だが指紋を欺くケースも考えられる。ドラマでは指に傷を付けて自分の指紋を改ざんする犯人がいたり、犯人が他人の指紋をゴム手袋にコピーして犯罪現場に残したりという場面もあった。どこまで現実にあり得るか疑問ではあるが、考えられなくもない。ちなみに人間の指先は神経が集中しており、皮膚(指紋)を切ろうとすればとても痛いし、なかなか血が止まらない場所なのでやめたほうがいいと思う。

 面白いことに道具は日米で違いがあるらしい。「CSI」や本で得た知識だが、アメリカではハケにチークブラシのようなものを使っている。天然の羽毛やらくだの毛からグラスファイバーまである。粉は黒、白、銀色などが基本だが、中には蛍光粉末を使い紫外線で浮き上がらせたりすることもあるとか。

 CSIのあるエピソードでは捜査官がへき地で捜査道具をかばんごと盗まれてしまい、文房具屋で道具を間に合わせたという場面があった。市販のハケとシャープペンシルの芯をすりつぶした粉で指紋を取り、透明のガムテープで写し取っていた。プロ仕様とは使い勝手が違うだろうが、こんなに手軽なものでできるとは驚きだった。なお指紋採取の技術は日々進化しているらしく、ニューヨーク版の「CSI:NY」だとハイテクな機器がいろいろと登場したりする。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
日経電子版セット今なら2カ月無料