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 ちょうど省庁のホームページの改ざんやワーム(広義のウイルス)などでセキュリティ業界がにぎわっていた2000年頃、セキュリティセミナーを開催すると、いつも満席でした。私も講演活動で忙しくしていました。

 私が講演で呼ばれるときには、いつも「何か怖い話をしてください」と頼まれたものでした。私の話の後に、製品やサービスに関する営業トークが控えていたからです。「世の中には怖いことがあります、その怖さを避けるにはコレです」というわけです。聴衆も何か怖いもの見たさで来場されていた部分もあったかと思います。

 このような怖い話をして何かを売る商法を私は「ホラー営業」と呼んで、大げさな話にならないように事実だけを正確に伝えるように気をつけていました。それでも「ホラー営業のためのセミナーならあのヒトがいい」とされていたようで、よく講演依頼がありました。

 このホラー営業はこのセキュリティ業界の伝統にもなってしまい、今でも「セキュリティセミナーをやるなら怖い話をすべし」、と考えられているようです。

 2001年頃に、とある大きなカンファレンスで「ホラー営業を続けていたらセキュリティ業界からユーザーが離れていく」と話したら、翌年から講演の声がかからなくなりました。聴衆の多くは同業他社だったので、余計なことを言わないでほしいという感想も多かったようです。