PR

 2008年、観客動員数のべ100万人を記録した「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭」が、今年もゴールデンウイークに開催される。会場は東京国際フォーラムを中心とした有楽町・丸の内エリア一帯。その公演詳細が2月12日に東京国際フォーラムで発表された。

記者発表でバッハの魅力を熱く語るアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン氏(右)
記者発表でバッハの魅力を熱く語るアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン氏(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 フランスのナントで誕生した音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」は2005年より東京でも毎年開催され、ユニークな公演スタイルで成功を収めている。1公演は約45分と短時間、チケットは低料金、そして終日多数の会場で公演が同時進行しており、いくつものプログラムを気軽にハシゴできるというのが「ラ・フォル・ジュルネ」のお約束。クラシック音楽初心者にも非常に敷居の低い「お祭り」でありながら、音楽通にとっても注目度の高い演目が用意されているという、間口の広さがこの音楽祭の魅力だ。

 そして今回のテーマは「バッハとヨーロッパ」。これまで来場者アンケートでもっとも要望の多かったバッハがテーマ作曲家として掲げられる。バッハを中心としながら、ヴィヴァルディやブクステフーデ、クープラン、シュッツといったバロック期の作曲家、さらには後世の作曲家によるバッハの編曲作品など盛りだくさんのプログラムが用意されている。

 今年の有料公演の開催期間は、5月3日(日)から5月5日(火・祝)。そう、3日間なのだ。前回は5日間だったことを考えると、ずいぶん短くなった気もする。昨年来の世界的な金融危機を反映してか、今回の記者発表でも「適正な事業規模に凝縮し、引き締まったイベントにする」という開催方針が掲げられていた。
 有料公演の数は167公演。期間が短縮された分、中身は確実に濃くなっている。ざっと公演プログラムを眺めてみたが、例年以上に「これはぜひ聴きたい」と思うような出演者と演目がずらりと並んでいる。とりわけ充実しているのが古楽系のアーティストたち。テーマがバッハということもあって、バッハの生きた時代のピリオド楽器(古楽器)を使用する彼らの存在は不可欠だ。ファビオ・ビオンディとエウロパ・ガランテ、ピエール・アンタイとル・コンセール・フランセ、ヒューゴ・レーヌとマレ・サンフォニー、ベルリン古楽アカデミー、フィリップ・ピエルロとリチェルカール・コンソート、スキップ・センペ、鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン、寺神戸亮……。彼らだけでも古楽の音楽祭を作れそうなほど豪華な陣容である。

 これにさらに現代のモダン楽器を使う演奏家たちが加わる。ミシェル・コルボやアンヌ・ケフェレック、ボリス・ベレゾフスキーといった、音楽祭常連のアーティストたちは今年も健在。また、「バッハを弾くピアニスト」たちにタレントがそろっているのも嬉しい。イム・ドンヒョク、シャオ・メイ・シュ、コロベイニコフ、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェなど、挙げているとキリがないが、いずれもすばらしいバッハを期待させる。

 今年からの新機軸を一つご紹介しておこう。「中高生チケット」500円が新たに設定された。5000人が入るホールAで開催されるうちの11公演について用意されている。もともと「ラ・フォル・ジュルネ」は若者や子供たちにも開かれた音楽祭ではあるが、この価格設定は強力だ。高校生がお小遣いでトップレベルのアーティストたちの実演に接することができるのだから。多感な時期に感動したライブは、その後何十年も記憶に残るもの。ぜひ多くのティーンエイジャーにも会場に足を運んでほしい。

--------