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 昨年からインコを飼い始めた。それまでペットはハムスターだったのだが、あまりに短命で何度も死と向き合わないとならない。もう少し長生きして、かつ集合住宅で「観賞用」と認定される(基本的には檻から出ない)小動物ということでインコにした。

 別に鳥好きというわけでもなく、ましてや鳥を飼った経験すらなく、鳥に関しては全く無知。最初はどれにしたらいいのか皆目見当が付かなかったが、近所迷惑にならないように普段から静かであることと、多少賢いという評判を聞いてオカメインコを「お迎え」した。ほおに丸くオレンジ色の斑点があるのでオカメだそうだ。名前はインコだが種としてはオウムの仲間である。

 飼う前から「オカメインコは甘えん坊」と聞いていたが、飼ってみるとその甘えん坊ぶりに驚いた。飼い主が目の前から消えるとキャーキャー鳴くのだ。といっても、この「呼び鳴き」が激しいのは朝で、それ以外はおおよそ大丈夫。それでも甘えん坊だ。せっかくカゴから出しても部屋を少し周回するだけで、あとは飼い主の肩から離れない。しきりに頭を垂れて「頭をなでて」と催促する。

 このべたべたぶりは特別ではなく、オカメインコなら普通だそうだ。この性格をある本は「集団で生活するため社会性に優れ……」と表し、仲間や人間とのコミュニケーションが得意であることを説明している。

 確かにこれは社会性なのかもしれないが、見方を変えるとどうも孤独に弱いらしいのだ。留守番をさせるとエサが減っていないことが多い。飼い主が戻ると喜びながら、絶食でもしていたかのようにエサを激しくついばむ。エサはずっと目の前にあったというのにである。「別に食事くらい一人、いや一羽でもいいではないか。むしろエサが奪われる危険がないのだから留守の間に安心して食べられるだろうに」と思うのだが、どうも孤食は苦手らしい。

 飼い主に視線をロックオンしたまま、エサをついばむ動物なんて見たことがない。「人の顔色をうかがいながら食べなくてもいいから」と思うのだが、このあたりが「甘えん坊」と呼ばれるゆえんらしい。ついでに誰かを必要とする性格のせいか、鏡が好きである。鏡に映った姿を仲間と誤解するらしく(本当かは定かでないが)、常に鏡のそばにいる。時には話しかけている。将来はヒヤシンスになってしまうのではないかと思うほどである。

 なんだかペット自慢になってしまったが、この甘えん坊のオカメインコを見て「社会性」というのを考えてしまった。他者からの視線やコミュニケーションを取ることで安心感を得るという性格は、社会性が育つ要素なのかもしれない。孤独でもいいならコミュニケーションは必要ないし、甘えることもしなくなる。