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 先日、「勉強術」というテーマのムックの取材で、鎌倉の面白法人カヤックさんに訪問させていただきました。代表の柳澤さんからいろいろなお話を伺ったのですが、先日の六本木ライブラリーでのセミナー同様、やはり「ブレインストーミング」に、秘密があるようです。

 ブレインストーミングは、アイデアを出すためという位置付けだけでありません。そこにいる人との間で、“学び”があり、文化の共有みたいなものがあります。最初はなかなかアイデアが出なかった人でも、1年も経つとどんどん出せるようになっていくようになるその裏には、アイデアを出すテクニックを身につけるという学習だけでなく、「間違いはないんだ」「無意味なアイデアでもプロセスとして意味があるんだ」ということを実感として理解していくようになります。

 この「間違いはない」という前提は実は、コーチングでも重要となる要素です。コーチとクライアントの間で「正しいことを言わなくてはならない」という前提で関わり合いを行おうとすると、関係性がぎくしゃくしてしまいます。不用意なことは言えないという状態では、腹を割った話ができないのです。

 「不用意なことが言えない」という関係性は、しかし一般の社会では普通に発生する状況です。上司に対して不用意なことを言えない、間違ったことを言うと(もしくは上司の理解力が足りず誤解されると)一方的な攻撃を受けたりする関係では、創造的な共創関係はもちろん、信頼関係も築くことができません。上司には、「部下の間違いを受け入れる」ということはもちろん、さらに必要なのは、「間違いでさえも無駄ではなく、必要なプロセスとして歓迎する」というスタンスなのです。

 こうしたスタンスを持つためのシミュレーションには、ブレインストーミングのファシリテーター(中立的な立場で調整する役割)を務めることが非常に有効です。ファシリテーターがすべきことは、話されているコンテンツのジャッジをすることではなく、議論のプロセスが適切に行われているのか(つまり、すべてのアイデアを肯定できているか)をチェックすることなのです。

ワークショップでもブレーンストーミングは盛り上がります。違う頭の使い方をするのを実感できます
ワークショップでもブレーンストーミングは盛り上がります。違う頭の使い方をするのを実感できます