PR

 ほんの10年くらい前までは、入退室管理のための名札カードは、外資系IT企業の専売特許のようなものだった。カードがないと、自分の部署の扉も開けられないなんて、すごいシステムだなあ(何だかスパイ映画みたい!)と、感心したものだ。

 そんな時代も今や昔。いまや名札カードによる入退室管理は、日本の一般企業でも、すっかり当たり前になった。個人情報保護法が施行されてからは、より一層、広く普及している。

 名札カードを首から下げたり胸に留めたりするカードケースには、大きく分けてハード型、ソフト型の2種類があり、わずか10年ほどの間に2つの変遷の波があったとか。普及した当初は、ハード型が主流だった。その後、教育現場で起きた事件をきっかけに、小中学校の子供の保護者が、学校への出入りの際に名札カードの所持を義務づけられるようになった。そこで大きく巻き返したのがソフト型。幼い子供を抱っこする時には、ハード型は不便なのだ。現在でも、教育関連や医療関連では、ソフト型の需要が多くなっている。

 第2の波は、非接触型カード(JRのスイカ、イコカ、私鉄のパスモ等と同じ技術が使われたカード)の普及と共にやってきた。以前のリード型(壁などに設置されたリーダーを通すもの)に比べて、非接触型はケースからカードを取り出す必要がないために使い勝手が良いが、ネックになるのは、カードが曲がると中のICが壊れる恐れがあること。ビジネス用の非接触型カードは、壊れたものを新しく作ると1枚2500~3000円はかかる。そこで企業の総務部門がハード型を積極的に採用するようになり、ハード型の逆襲が始まったというわけだ。

 ちなみに、ケースをパチンと挟むクリップ部分は以前は金属製が普通だったが、衣服が傷むという理由で、現在は樹脂製が一般的。よく見れば、名札ケース&パーツは細かいところでも進化しているのだ。

企業用には、ソフト型(左)もハード型(右)も首からぶら下げるタイプが主流。一方、医療用などでは、クリップで胸や腰のポケットのところに付けるタイプが愛用されている
企業用には、ソフト型(左)もハード型(右)も首からぶら下げるタイプが主流。一方、医療用などでは、クリップで胸や腰のポケットのところに付けるタイプが愛用されている
[画像のクリックで拡大表示]