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 ニュース・メディアの“コンテンツ有料化論”が高まっている。

 経済不況で広告収入が減り、ただでさえ経営が苦しい数々の新聞社がそうした声を上げている中、最近とうとうルパート・マードックの爆弾発言が飛び出したのだ。

 「これまでのインターネット時代は終わった」。こう告げるマードックは、彼が運営するニュース・コープ傘下のウェブサイトを1年以内に有料化すると述べた。

 ニュース・コープが買収したウォールストリート・ジャーナルのサイトは、すでに年間購読料を払わないとトップページより先に進めない。同様の課金方法を同社傘下のニューヨーク・ポスト紙、イギリスのサン紙、タイムズ紙、オーストラリアのデイリー・タイムズ紙などにも適用するというわけだ。今年に入ってグループ会社全体の利益が激減したことが、その背景にあるらしい。

 マードックは、コンテンツの価値と比べると「現在の無料モデルが機能していないことは、多くの新聞社に明らかなはず」とし、「そこには致命的欠陥があるから」と述べた。

 これに先だって似たような動きを起こしたのはAP通信。今年4月初めに開かれた株主総会で、ニュース・コンテンツを無断でアグリゲートするようなサイトに対しては「法的措置を執る」ことを決めたという。

 AP通信は以前、同様の訴えをグーグル・ニュースに対して起こした。その結果、グーグルはAP発のニュースに対しては契約料金を払っている。ただ、AP通信はそもそも新聞社や放送局の協会だが、個々のメンバー企業のニュースは依然として無料でグーグル・ニュースに流用されている。

 今回の動きでは、まだ正式な攻撃対象が明らかにされていないが、まずはグーグルだろうというのが一般的な見方だ。前出のマードックも「グーグルがわれわれの著作権を盗んでいるのを、そのままにしておくべきか。ヤフーも同様だ」と敵意を明らかにしているという。AP通信は、これを業界全体のキャンペーンとして張っていこうとしており、この不況のご時世で騒ぎはさらに広まるかもしれない。

 このふたつは、厳密に言えば別々の問題だ。一方は一般利用者からお金をもらおうとしていて、もう一方は企業間の訴えだ。だが、「コンテンツが有料になる」というひとつのところで共通していて、ひとつが動き出すともうひとつも動きだし、波が大きくなっていく可能性は高い。