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 クレイグズリストに関して、最近またひと騒ぎあった。

 クレイグズリストは、いわばインターネット版の「売ります、買います」掲示板。中古品の販売だけでなく、住宅賃貸情報から求人情報まで載っているサイトで、アメリカでの人気は高く、「新聞を殺した元凶」と言われている存在だ。アメリカの新聞の大きな収入源になっていた三行広告をすっかり奪ってしまったからである。

 ひと騒ぎというのは、先ごろ、アメリカの何人もの州法務長官がクレイグズリストの「エロティック・サービス」コーナーを撤去せよと圧力をかけたからである。

 エロティック・サービスという名前はすごいが、日本語風に言いかえると「セクシーなサービス」といった程度だろうか。セックス・サービスではなく、ちょっとエッチなサービスくらいのニュアンスだ。女性によるマッサージなどの類いがその分類に入るだろう。

 だが、その名を借りてここが売春の温床になっているというのが、法務長官らの主張するところだ。もちろん、セクシーなマッサージ・サービスがどこに行き着くのかは、本人たちのみぞ知るところだろう。だが、「売春」を謳っていないのだから、本来ならば取り締まれないはずだが,法務長官らはその芽を早々に摘み取ってしまおうというわけだ。

 法務長官らが息巻いている原因は、4月にボストンで起こった殺人事件にある。ホテルで若い女性の死体が見つかり、その犯人として品行方正な医学生が捕まった。虫も殺さないような優しい顔をした医学生が殺人をしたというだけでも、かなりのニュースになったのだが、詳しく調べてみるとその女性はプロのマッサージ師兼ストリッパーだったのだ。医学生はクレイグズリストの「エロティック・サービス」の広告で彼女を見つけてコンタクトを取り、ホテルの一室で金銭を奪おうとして抵抗され、殺人に及んだらしい。医学生は、同じような手口で別の女性にも危害を加えている。

 「売春という最古の商売が、インターネットという最新のテクノロジーを使っている。このサイトは刑事事件として取り調べをした後に起訴されるべきもの」と言ったのは、サウス・カロライナ州の法務長官だ。それ以外にも「クレイグズリストは、インターネットの売春宿だ」といった批判が集まった。ちなみに、アメリカでは2州を除いて売春は違法行為とされている。