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 最近当社で始めたパソコン向けのASP型セキュリティ検査サービスのために、データセンターを借りることになりました。これまでは米国のシリコンバレーのデータセンターを使っていたのですが、要望があって国内のデータセンターを借りることになりました。

 そこで、データセンター選びとなったわけですが、いざ、自社のサーバーを置こうとしたら、どこがいいだろうと悩みました。条件は以下のようなものです。

  • 安い
  • お客様から見て安心を与えられるブランドと外観
  • インフラが信頼できる
  • いざというときに駆けつけられる距離
  • 何かと融通が利く

 データセンターは、一度選ぶとなかなか引越しできませんから、慎重に選ぶ必要があります。挙げた条件以外にも検討するべきことはあります。例えば、運営している会社が外資だといつ何時撤退してしまうか分かりません。また、ベンチャーや投資活動が活発な会社が運営しているデータセンターだと、いつ売却されてしまうかも分かりませんし、コスト削減などの対象にならないとも限りません。そういうことも含めて判断する必要があります。

 これまでに多くのデータセンターを見学する機会がありました。せっかく自社で借りるのだから、バリバリの認証設備があった方がお客様が見学に来られたときにカッコがいいなということも考えました。物を持ってデータセンターの外に出ないことをチェックするために、入室するときと退室するときの体重差を検出する装置を付けているセンターや、生体認証を導入しているセンターもあったので、そういうところも検討してみました。

 一方で、社会的に高い信頼が求められる企業がどういうデータセンターを使っているのかも調べられる範囲で調べてみました。また、データセンター事情に詳しい知人にもいろいろとアドバイスをいただきました。

 高いデータセンターと安いデータセンターの違いについても検討しました。安くて豪華な認証設備が入っているところに目を奪われがちですが、そもそもデータセンターのコストは見えないところにかけられているものです。例えば、バッテリーや発電機などの電源設備や、建物の耐震・免震構造、長時間の停電時に備えた重油の供給体制やその契約---などです。

 詳しいことはそれぞれのデータセンターの機密事項なので知ることは難しいのですが、安いところにはそれなりの理由があるようです。もちろん営業努力があるのは言うまでもありませんが、インフラにどれだけ投資しているかは我々には見えにくいのです。

 結局、私が選んだのは通信事業者が運営する、東京大手町にあるデータセンターでした。社会的に高い信頼性が要求されており、コストも十分にかけられるであろう企業が入っているところです。見た目は正直に言ってよくありません。エレベータも古くさいですし、生体認証も導入されていません。積極的な営業活動はされておらず、当社のようなベンチャー企業には貸していないらしいのですが、ご縁があって借りさせていただけました。

 私の借りたラック(サーバーを入れる大きな箱)の周辺では、重要なシステムが多数稼動しているようです。なぜそれが分かるかと言いますと、もちろん見えないように目隠しを貼るなどして配慮しているところもありますが、サーバー名やドメイン名、名前から組織が容易に想像できるルーター名がラックの窓から見えるのです。セキュリティ的には、あまりよいことではないと思われます。

 一方では、独立した壁に囲まれて周りから見えないようになっているVIPルームのようなスペースもあり、そこでは建物の古さからは想像もできない最新の機器が静かに稼動しています。わざわざ見えないようなっているところを、まとめて借りているからには、相当な企業あるいは組織なのだろうな、と想像がふくらみます。

 価格は他社と比べて高めの設定ではありますが、大手町という金融機関の集中するエリアにある通信事業者の建物であれば、何があっても復旧は早いだろうと思い、お客様にもそういう説明をするつもりです。とはいえ、金属探知機や赤外線センサー、生体認証や体重センサーにはあこがれも感じますが……。

 今は隅っこの小さな場所ですが、少しずつ拡張していきたいと思っています。