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 先週、ラグジュアリー・ブランドの一つカルティエがアップルを相手取って訴訟を起こし、それから24時間以内に取り下げるという事件があった。

 訴訟の内容は、iPhone向けアプリケーション「フェイク・ウォッチ(偽物時計)」がカルティエの商標を侵害しているというもの。アップルは、すぐさま「フェイク・ウォッチ」を自社のダウンロードサービスApp Storeから削除し、それを受けてカルティエは訴訟を取り下げたのだ。

 取り下げられてしまったので、今やフェイク・ウォッチの詳細を確かめるすべはないが、これを開発した会社デジトポリス・ゲームスタジオのウェブサイトによると、有名ブランド時計の写真(あるいはコンピュータ・レンダリング?)5種類を利用したデザインであったらしい。

 「偽物なんて誰だって嫌いだけれど、本物かどうかを見分けるには鋭い鑑識眼がないとできないよね。ここに有名なブランドの時計を5つ挙げておくから、どこが本物と違っているか見つけてみよう」という説明がついていて、つまりはそういったノリで種々の時計が載せられていたと思われる。

 サイトに掲載されている画面の写真に目を凝らすと、そのひとつは、ローレックスのロゴに似せた「RELAX」というブランド名で載っている。明らかに偽物です、と断った上でのお遊びである。

 よくある間違い探しゲームのようなものだし、何と言っても絵の中の話だ。普通なら「メクジラ」を立てる理由は何もないと思うのだが、そこに掲載されていた2種類の時計が、カルティエの人気ライン、トランクの商標をもじったものだったらしい。カルティエの訴訟にビビッたアップルが、即座に対応したという形だ。

 この件に関しては、カルティエの訴訟相手が、フェイク・ウォッチの開発者ではなく、アップルだったというのも面白い。アップルは、App Storeに参入させるアプリケーションを精査して選んでいることになっていて、その管理不行き届きを責められたということになる。

 アップルのiPhoneアプリケーションのルールの不明解さは、当初から開発者の間で当惑を呼んでいるが、最近その過剰な自己制御ぶりがまた話題となっている。