PR

 米アマゾンの電子ブックリーダー「Kindle」に関して、ユーザーがちょっとした騒ぎを起こしている。

 その中身は、「Kindle用の電子書籍は9ドル99セントだと思っていたら、なんだ、それ以上に値上がりしているものがたくさんあるじゃないか!」という苦情である。

 2007年に初めて発売されたKindleは、今年2月になってスクリーンの見やすさや操作性をぐっとアップグレードさせた第2バージョンがお目見えした。第1バージョンは、テクノロジーおたくを中心に新しいモノ好きがこぞって買ったようだが、第2バージョンはかなり広く読書家の人気を集めているようだ。

 アマゾンはKindleの販売個数を明らかにしていないが、ある調査会社によると50万台は売れているだろうとのこと。先だっても、ヨーロッパ行きの飛行機に乗ったら、隣に座っている初老の夫婦が2人ともKindleで読書をしていたのには驚いた。何でも、iPhoneと違って、Kindleのユーザーはけっこう年齢が高いそうである。

 それはともあれ、人気を支えている大きな柱は、Kindle版電子書籍の値段の安さである。Kindle自体の値段は、現在359ドルからと決して安いものではない。だが、Kindleにダウンロードできる新刊のベストセラー本の値段はたったの9ドル99セント。つまり10ドル未満で手に入るのだ。Kindleを発表したアマゾンCEOのジェフ・ベゾスも、この値段を誇らしげに述べていた。書籍コンテンツがそんなに安いのなら、デバイスの359ドルは高くはない、という計算をしたユーザーは多いはずなのだ。

 アメリカは書籍の価格が高いことで知られている。小説やビジネス本など新刊のハードカバーは、大抵が25ドルほどの値段がついている。ニューヨーク・タイムズのベストセラー・リストで面白そうな本を見つけても、25ドルとなると「ソフトカバーになるのを待とう」とか「古本屋に出るまでがまんしよう」と思う人々が多い。

 ところが、それが半額以下の10ドルで買えるとなれば、話は違う。印刷された書籍との差額が15ドルとして、24冊ほど電子書籍を買えば元が取れる計算である。本好きの人、旅行や出張が多くて本を持ち歩けない人などが、そんな算段の上でKindleのユーザーに加わったのだ。