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 「なぁ~んだ、やればできるじゃないか」

 2009年6月9日から開かれているアップルの開発者向け会議「WWDC 2009」の発表を聞いて、そう思った人は多いだろう。そう、アップルによる珍しい「値下げサービス」のことである。

 決まって新製品が発表されるアップルのイベントでは、その新製品のすごさに感嘆するものの、最後に明かされるお値段にいつも「やっぱりね」とあきらめ気分になってしまうことがほとんどだ。価格が高いからである。

 ところが、今回のWWDCでは「値下げ」「値下げ」の連続だった。一番すごいのは、現在出ているiPhoneの8GBモデルがこれまでの半額の99ドルになるというものだ。2年半ほど前、初代iPhoneが発売された時、8GBモデルは確か599ドルではなかったろうか。すごい価格破壊だ。

 その後わかったのは、iPhoneの独占キャリアAT&Tから「リファービッシュト版」、つまり工場整備済みの中古版を買うと79ドルとのこと。また、現モデル16GBの新しい価格は149ドルだが、今のところ在庫切れらしい。

 新しいiPhone「iPhone 3G S」も結構お得な値段になっている。処理速度が速く、300万画素のカメラはビデオ撮影が可能になり、電子コンパスなどの新しいフィーチャーが加えられたのに199ドル(16GB)と299ドル(32GB)である。性能が上がったのに価格据え置き、という印象。アップルのこれまでの新製品発表時の価格感覚とは、ずいぶん違っているのである。

 ノートブックなども、軒並み値下げ。それに、「こんな値段、アップルの口から聞いたこともない!」と思ったのは、新しいOS「Snow Leopard」(Mac OS X 10.6)へ現Leopard(同10.5)のユーザーがアップグレードするのにかかる費用は、たった29ドル。いやはや、驚きである。

 経済不況になってから、アップルの価格設定には批判が集まっていた。世の中では200ドル代のネットブックが取りざたされているというのに、アップルのノートブックには少なくても1000ドル近く出さなければならなかったからだ。

 中には「世離れしている」という評もあったりして、うまいこと言うものだなあと感心したのだが、いくらハイブローなアップルでも、このお値段はないでしょう、という人々の冷たい視線が注がれていたのである。そこへ、99ドルとか29ドルとは、これはもうウォルマートの価格帯と近くなってきた感じだ。