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 前回、「電動モーター+電池+制御技術」の三位一体の技術の進歩を電動アシストという形で人力と組み合わせると“自転車2.0”と呼ぶべき新しい乗り物が可能になることを説明した。

 それは、様々な形状を取るだろうと、私は予想している。なぜならば、電動モーターは、燃料を使うエンジンに比べて振動が小さく、制御が簡単で、しかも低速回転におけるトルクが大きいという特徴を持っているからだ。これらの特徴は、様々な乗り物に対しての適用が可能ということを意味する。

前々回取り上げた、中国製の電動自転車はその一つと考えてよいだろう。既存の自転車にモーターをポン付けする――一番簡単で誰でも考えつき、なおかつ「これは自転車だ」ということで違和感なく人々が購入するであろう“自転車2.0”だ(それ故に大阪の警察は摘発に乗り出したわけだが)。

 あるいは、「セグウェイ」や「P.U.M.A.」にペダルが付いたようなものを考えてもいいかも知れない。セグウェイにペダルというのは一見考えにくいかも知れないが、姿勢を一定に保つためのモーターの制御がしっかりしていれば可能だろう。60~80Wほどの人力を使うことで、どれだけモーターやバッテリーを小さくできるか、そのことでどの程度のメリットを得られるかが、実現にあたっての課題となるはずだ。

 もちろん、一輪車に電動アシストを付けるのもありだ。姿勢を一定にたもつためのバランサーを装備して、誰でも一応は乗れる一輪車とすることも考え得る。

 スケートボードや、一時期大流行したキックボードを電動化するのもいい考えだ。サイズが小さいのでそれほど出力の大きなモーターを付けられないだろうが、例えば出勤時に自宅から駅までの2kmを10分で走るというような用途には十分なものができるのではないか。

 40歳以上の人は、1975年に本田技研工業が売り出した「ローラースルーGOGO」という乗り物を覚えているかも知れない。ペダルを踏んで前に進むキックボードのような乗り物だった。残念ながらローラースルーGOGOに乗っていた子供が交通事故に遭ったことをきっかけに、マスメディアからのバッシングを受けてしまい、生産中止となってしまった。が、これに電動アシスト機構を取り付けたら、簡単に乗れてそれなりの距離を走ることができる便利な乗り物になるのではないだろうか。

 電動モーター・電池・制御技術がそろえば、車椅子ですら便利な交通機関になりうるだろう。例えば車輪を工夫すれば、電動アシストによって駅の階段程度ならば上れる乗り物も可能になるのではないだろうか。

本田技研工業が1976年に発売したキックボードタイプの1人乗りモビリティ「ローラースルーGOGO」(同社ホームページより)。
本田技研工業が1976年に発売したキックボードタイプの1人乗りモビリティ「ローラースルーGOGO」(同社ホームページより)。
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