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 今回は懺悔モードというか、言い訳モードである。近年日経パソコンで定期的にメールのマナー特集をしており、大方のところはうなずけるのだが、悩ましい部分がある。そうかなあ、そうなのかなあ、そうなのかもしれないけど、うーん、どうかなあ、と悩んでいることがある。

 それはヘッダーの宛先である。本誌調査によると下に記すように、宛先のメールアドレスに併記した相手の名前に「様」をつける割合が徐々に増えている。本誌で「様」をつける手順が示され、推奨されていることも影響しているのだろう。

 宛先:鈴木由香里様 <ysuzuki@xxxxx.co.jp>

 今のところ、筆者は宛先の相手の名前に「様」をつけることはしないので、この割合の推移はちょっとした脅威でもある。まだ「様」をつけない自分はどれだけ無礼なのだろうかと結果を見るたびにちょっと心配になる。

 ただ正直言って、筆者には宛先に「様」をつけることがマナーかどうか、必要性にいまいち確証がない。おそらく感覚の問題であり、インターネットの古参ユーザーの古びた考えと思われるようでカミングアウトするのが怖いのだが、まだ「様」をつけない言い訳をしてみようと思う。

 理由その1。筆者の周囲では実際に宛先に「様」をつける人はまだ少ない。ほとんど見かけないといっても過言ではない。試しに今年に受信したメールから筆者の名前に「様」をつけて送信してくれた人がどれだけいるか調べてみた。なおあくまで宛先であり、タイトルは除く。その結果、「様」をつけてくれた方は2名のみだった。少ない。筆者の周囲に限れば、まだ実践している人はさほど多くはない。だからといって筆者の周囲にマナーのある人が極めて少ないかというと、そうとも思えない。

 理由その2。あっても気付かない。先の結果が2名だったということは検索するまで気付かなかった。むしろ当初「そんな人、いるだろうか」と疑ったほどである。2名もいたことに驚いたくらいだ。せっかく宛先に「様」をつけて送信したとしても、相手に気付いてもらえない可能性はけっこう高いと思う。気付かない筆者が無粋なのだろうが、気付かない人は恐らく少なくはないと思う。

 気付くかどうかは使用しているメーラーや設定次第でもあるが、メールや一覧表示で多くが着目する項目といえば、送信元とタイトルとなるはず。宛先かCCかを確認する人はいると思うが、宛先のフォーマットをまじまじと見る人はそう多くないのではないだろうか。

 理由その3。心理的な抵抗感がある。メールに初めて触れた時、まだインターネットの世界では「ヘッダーにダブルバイトを入れるなんて」という感覚が残っていたせいだろう。御法度とまではいかないまでも、そんな空気が残っていた。いろいろと影響を受けた上司もメールの宛先表記は「別にローマ字でいいよね」と言っていたくらいだ。当時は日本語表記にするのに多少の技術的な困難があったのだ。古い時代の話であるが、初対面の印象は強いのだろう。