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 iPhone OS が3.0になり、ボイスメモ機能が標準で使えるようになった。これが実に音が良い。無料のおまけソフトとは言えない出来で、仕事でもなかなか使える。しかし、Macとの連携には改善してほしい癖もたくさんあり、使いこなしにはコツがいる。

音質劣化無しの、長時間録音

 何と言っても音質が良いのが素晴らしい。音声をデジタル化する時に使っている方式は「Apple ロスレス・オーディオ」。音声データに手を加えず、圧縮後のデータを元に戻すと、元通りになる「可逆的圧縮」方式を使っている。

 一般的なサウンドデジタイズは、「非可逆圧縮」。例えば電話の音声などの場合は低域と、広域をカットしその上で数学的処理を加えてデータを圧縮する。そのようなデジタル化を行った音声データはどんなに高性能な機器を持ってきても、原音には戻らない。

 iPhone標準の「ボイスメモ」は「Apple ロスレス・オーディオ」フォーマットを使っているから、録音した音はとてもクリアだ。また、デジタル化のためのビットレートは311kbps、サンプルレートは44.1kHz。本当に贅沢なデジタイズだ。問題はデータ容量をたくさん消費する点。図の情報を見ていただくと分かる通り、たった1分30秒の録音をしただけで、3.4MBもの容量に膨らんでいる(図1)。

図1 ボイスメモをiTunesに転送後、詳しい情報を表示させた。Apple ロスレス・オーディオフォーマット、ビットレート:311kbpsと実に贅沢な仕様だ。
図1 ボイスメモをiTunesに転送後、詳しい情報を表示させた。Apple ロスレス・オーディオフォーマット、ビットレート:311kbpsと実に贅沢な仕様だ。
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 通常のMP3では高音質でもビットレートは128kbps程度でファイルサイズは1.5MB程度だ。iPhoneのボイスメモがいかに贅沢にリソースを使っているかが分かる。

 ただし、誤解してはならないのは、あくまでも、iPhoneに内蔵されたマイク、またはイヤホンに付属したマイクからの音が「非可逆圧縮」で収録されている、というだけである点だ。マイクやアンプに贅沢な回路を使った高性能デジタル録音機の音質と比べると、見劣りがする。特に風がある環境で録音すると、猛烈な風切り音が入り、音質の良しあしなど議論するのはおこがましいという感じだ。

 しかも、収録音声はモノラルだ。会議などを録音して、あとでテキスト起こしをしようとしても、苦労することになるかも知れない。

 なお、録音時間は内蔵のフラッシュメモリーの許す限り、いくらでも可能なようだ。ちなみに実験のため5時間連続で録音してみたが、問題なく収録できた。(図2)。

図2 約5時間(4時間54分19秒)録音した。データ容量はなんと585.23MBにもなってしまった。
図2 約5時間(4時間54分19秒)録音した。データ容量はなんと585.23MBにもなってしまった。