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 アメリカの景気が底を打ったかとうわさされる中、6月時点のシリコンバレーの失業率が11.8%まで高まっているそうである。

 去年同時期の失業率が6%だったので、それよりも悪い。1年前の同時期と比べて数字の悪い月がこれで9カ月も連続しているとのことで、事態は改善するばかりか、依然悪化に向かっていることになる。しかも全米の失業率は9.5%なので、それよりも高い。さらに、ドットコム・バブル崩壊時よりも悪い数字。

 シリコンバレーでことに失業率が高いのが、コンピュータや電子製品関連、ビジネス・サービス関連、交通、建設、ユーティリティー(電気、水道などのインフラ)関連。これでは、ほぼすべての職業ではないかと思ってしまうが、小売り、医療、教育、農業関連などがましという程度なのだろう。

 今年に入って、サンホゼ周辺地域でなくなった職は1万1100件。6月だけでシリコンバレー全体で2600の職が失われた。ハイテク機器の製造関連が大部分だという。現在、職を探している人々は10万8700人に上るという。

 企業のレイオフは通常、あまり仕事のできない人をこの際辞めさせるという段階から始まって、過剰人員の整理、不要部署の閉鎖、そして最後に各部署で人材をギリギリにまでカットするというところへ進む。今は、この最後の段階だろう。この機会に、理想的なリーン経営方法を学ぶスタートアップ企業も多い。