わずか数年前までのマイクロソフトのイメージは、「エイリアン」であった。
独占的ともいえる施策が次々と打ち出され、競合他社を蹴落すといった戦略が相次いでいたからだ。
競合他社製品を持つユーザーに対して、戦略的価格設定で製品を提供し、競合製品からの移行を促す「コンペチティブアップグレード」の手法などは、その最たるものだっただろう。
だが、ここ数年はその戦略が大きく転換されている。
もちろん、マーケティング施策のなかでは、他社との競合上、そうした戦略がないわけではない。
だが、少なくとも知財(知的財産)戦略においては、その姿勢は、大きく変わったといえるだろう。
マイクロソフトの知財戦略を統括する、米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデント 副ゼネラルカウンセル兼総務部長補佐 LCA-IP&ライセンシンググループのマーシャル・C.フェルプス・jr.氏は、「マイクロソフトは、2003年の時点において、大手企業と結んでいたクロスライセンスは1社だけ。だが、いまでは全世界で500社を超える企業とライセンスを結んでいる」と語る。
