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 急速な景気回復に関する明るいニュースを聞くと元気づけられるが、Dow Jones工業株価平均の推移を見ると、一体なぜこんなことになったのだろうと思う。(1929年に始まった)世界大恐慌から脱するには長い時間がかかった。確かに我々は、第二次世界大戦後の数回の不況から素早く立ち直った。しかし、そのときは各々、それを推し進めるだけの強力な推進力があった。

 それらの推進力の一つがコンピューター革命だった。それが始まった時、すべてのコンピューターの専門家はある見解を持っていて、一部の先見の明のある人々は別の見解を持っていた。IBMが描いたコンピューティングの未来は1万台の大型コンピューターすべてがIBMのソフトウエアを実行するというものだった。IBMの実際の予測は10万台だったかもしれない。私は、100万台と予想した人はいなかったと思う。

 別のビジョンは、Bill Gatesが考えたものだった。「すべての机の上と、すべての家庭とすべての教室にコンピューターを。それらのコンピューターとソフトウエアの需要は米国経済をけん引するだろう」と。そして実際にそうなった。

 今はその需要はほとんど満たされた。--いや、本当にそうなのだろうか?

 いずれにしろ、我々は2回の大きな不況を生き抜いた。1回目からの回復はコンピューター革命によって口火が切られた。インターネットの発展が2回目の不況から我々を救い出した。残念だが、その回復の後に、我々をこの恐慌に至らしめた一連の馬鹿げた「金融商品」が出現した。そして何がこの回復をけん引するか確かめるのはそれほど容易ではない。何かがけん引するだろう。