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 このコラム、ちょいと長い夏休みをいただいているうちにMac OS Xが新しいフェーズに入ってしまった。お休み中の話に戻るが、iPhone片手のイタリア旅行は楽しかった。現地でマップアプリやWeb表示させると、異常な高額料金が取られるので、ちょっとしたおまじないをかけ、現地のプリペイドSIMカードを購入、iPhoneの威力を堪能した。コストは30ユーロくらいで納まった。その話、いずれどこかで詳しく書くこととして、今回はなぜか発売時期が早まったMac OS X 10.6 Snow Leopardの話を追ってみよう。

9月発売予定が早まった

 アップルは2009年6月8日(米国時間)、世界各国から集まった開発者、ジャーナリストの前で次期OS X(10.6)Leopardは9月発売、価格は29ドル(安!!)と発表した(図1)。

図1 2009年6月8日、WWDCの基調講演でSnow Leopardは9月発売開始と発表するAppleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、バートランド・サーレイ(Bertrand Serlet)氏(WWDC 2009 基調講演のアップル配信ビデオから)。
図1 2009年6月8日、WWDCの基調講演でSnow Leopardは9月発売開始と発表するAppleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、バートランド・サーレイ(Bertrand Serlet)氏(WWDC 2009 基調講演のアップル配信ビデオから)。
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 その2カ月後の8月24日(日本時間)、発売日を4日早めた8月28日に発売開始すると発表した。たった4日でしかないと言えばそれまでだが、OSなどの大規模ソフトウエアに関して、9月発売を公式にアナウンスしておきながら、8月に早めたという例はきわめてまれだ。大型コンピューターを含め、これまでの通例では数カ月から半年遅れでリリースされることが業界の常識。中には出荷されずに全くお蔵入りとなる例も少なくない。実際、アップルにもそんな幻のOSが数多い。

 コンピューターの動作を基盤で支えるシステムソフトウエアは規模が大きく、しかも、ユーザーが周辺機器やアプリケーションを想定外の使いかたをすることも多く、バグの発生する確率も高い。リリースしたあとも次々に顕在化する不都合に対し、継続的にメンテして行かなければならない宿命を負ってもいる。そんなソフトのリリース時期を早めるという判断の裏にあるのは、(1)製品開発によほどの余裕と自信があるか、(2)競争相手の何かに脅えたか、(3)それともバグ出し作業を早めに切り上げてしまったか、(4)当初予定の開発項目を削ったか、のいずれかだ。

 Mac OS Xに依存して仕事をこなしているユーザーとして、ここはゼッタイ(1)を期待したいところだが、ソフト開発の現実に目を向けるとそれはなかなか難しい。古いMacから最新のものまで、数えきれない周辺機器も含めてお墨付きを出すのは不可能だ。(2)と(3)は憶測の域を出ないが、(4)は常套手段として一般的だ。