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 「脱・官僚依存」を標榜する民主党が歴史的な大勝で政権交代を果たした。憲政史上に残る歴史的な政権交代劇もすごいが、明治維新以来、連綿と続いてきた官僚主導型の日本のあり方がついに方向を変える。世界に冠たる技術力を持っていながら、製品は世界に通用せず、デジタルライフを演出するアプリケーションは世界標準からかけ離れた日本だけの温室環境の中で生息する。こんな世界も、ついに閉ざされた扉が開かれるかも知れない。

まだまだ無駄は絞り出せる

 官僚主導型、言い換えればお役所仕事、生活者としての消費者の立ち位置をほとんど考慮してこなかった例は枚挙にいとまがない。

 なかでも、私たちのデジタルライフに直接影響を及ぼす放送・通信分野、メディアの流通をコントロールする著作権などの領域で、利権を主張する政治家と官僚、そして既得権を持つ企業の間で持ちつ持たれつしてきた日本型ビジネス慣習にようやく風穴が開くかも知れない。

 例えば、テレビやラジオ放送局が数えるほどしか認可されず、既に敷設された光ファイバーのごく一部を寸借するだけで解消する難視聴地域対策も議論されず、県境を超えた放送配信などもってのほか、といった旧態依然の放送行政。デジタル時代のまっただ中とはとても思えない、こうした規制は、これを守るための官僚組織、維持するための外郭団体、権益を保有する関係団体の天下り受け入れの存在基盤となる。維持運営するために投入される公金はその関連組織の中でうまく循環して、グループの外にはほとんど流れ出ない。

 あらゆる天下り、あらゆる官製談合、独立行政法人・公益法人の徹底的な見直しを行うとする民主党のマニフェストがしっかり遂行されるなら、このよどみは一掃され、時代にふさわしい歩みを始めるだろう。無駄なものがなくなれば、無駄なコストもなくなる。

 マニフェストには、無駄遣いをなくすための新しい政策が箇条書きで挙げられ、それによっていくら絞り出せるか、試算がある。ここに書かれていない、通信・放送の分野での無駄を加算すれば、まだまだ数千億円単位で無駄が絞り出せますよ。例えば、県境の難視聴地域に、向こう側の県からブロードバンド回線を引けば、アンテナ新設の無駄はなくなる。

 総務省の発表によると、ちょうど1年前の平成20年9月末のブロードバンドサービスエリアの世帯カバー率は98.6%だという。もしそれが本当なら、新たに、回線を引く必要もない。コストは限りなくゼロに抑えられる(はずでしょ?)。