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 わずか4年前に自民党が郵政選挙で大勝利したと思ったら、今度は民主党が政権選択選挙で大勝利である。ニッポンは、迷走に次ぐ迷走で、どこに向かって走り出すやら、危なっかしくて見ていられない。

 そんな先行きの分からない不信社会と共倒れではたまらないから、自立できる体力と知力を磨くために頑張るのは良い。けれど、時には社会に背を向けて、心を癒して気力を養うことも大切である。できれば美しい景色の中にゆっくりと身を置いて、あたたかい温泉で身体を鎮め、おいしいものを食し、うまい酒を飲んで自分を元気にしたい。

 でも都会に暮らす現代人に、そんなゆとりは許されない。せめて、わが家の風呂にゆっくり浸かって、インターネットのお取り寄せで楽しもうかとショッピングサイトに向かってみる。海鮮やブランド牛がところ狭しと並んでいるが、価格、数量、品質を比べているうちに、なんだか仕事みたいで肩がこる。

 やっとのことで選んだ商品が届いてガッカリというのも結構ある。本当にこれって国産なのかしらと安全性に首を傾げたくなるものもある。せっかくの癒しの時間だったはずなのに不信感に苛まれるのでは元も子もない。

 そんな皆さんにお薦めしたいのがCSXである*1。CSXの前に原型であるCSAについてご説明したい。CSAとはCommunity Supported Agricultureの略で、コミュニティ支援型農業のことである。地域住民が農業を支援するために会員となって、作付前に会費を支払い、収穫時にその会費に見合う農作物を受け取る仕組みだ。農作業などにも参加して、生産者と消費者が顔の見える関係を作る。*2。

 CSAでは、生産者が前払い金を受け取ることによって、収穫が不安定になった場合でも収入の安定化が図れるし、市場ウケする万人向けの商品ではなく、農家と会員の価値観にフィットした作物づくりにチャレンジすることができる。一方、消費者は、自分たちが食べたい作物や、有機栽培などの生産方法について希望を伝えることができるし、農家とつながりを持つことで災害時の食料確保などにも対応できる。もちろん地域農業の維持にも貢献できる。

 農業だから天候の不順によって、あるいは有機栽培などの難しい農法にチャレンジすることによって、収穫量が減ってしまうリスクもある。けれど、生産者の顔が見えるうえに、生産の様子を知ることができ、おまけに、おいしくて、安心できる農産物が手に入るのだ。市場という社会システムが信頼を失っている今、都市生活者が安心できるちょうど良いスケールの食料確保のシステムとして、CSAはニューヨーカーの間で結構なブームとなっている*3。