アップルとGoogleの確執がなかなか収まらない。Googleが開発した音声通信管理サービス「Google Voice」をiPhoneでも扱えるようにするアプリケーションが「却下された。いや調査が長引いているだけ」と言い争いが続くなか、一方でGoogleのさまざまなWebコミュニケーションサービスをiPhoneから使いやすくする枠組みが次々に登場している。
Windowsパソコンとの連携範囲が広がった
iPhone はデスクトップのMacとの情報同期が緊密なのは御存じの通り。前々回、そのあたりの事情には詳しく触れたが、実現するにはアップルが提供している有料サービス「Mobile Me」に加入する必要がある。
このサイトの読者の皆さんはデスクトップマシンがWindowsという方が多いだろうから、「Mobile Me」経由の同期がいかに素晴らしくてもそこには踏み出せないだろう。そこでGoogleのWebサービス経由での同期が意味を持つ、というわけだ。
今回、新規参入した同期サービスでWindows Mobile機やBlackBerry、iPhoneを同期させるプロトコルは、Snow Leopard⇔iPhoneが使っているCalDAVではなくMicrosoft Exchange ActiveSync 。Windowsのデスクトップマシン上のGoogleカレンダーがWeb経由でiPhoneに直接つながり、情報を更新する。
実はすでにGoogleカレンダーとiPhoneとの連携は実現しており、筆者自身も便利に使っていた。「意外に仲がいいiPhone、Mac、Windowsの複雑な関係」で詳しく説明した通り、デスクトップのWindowsパソコンともスムーズな連携が図れる(図1)。
ところが、今回はさらにその連携対象が「連絡先」「Googleメール」に広がり、便利さが向上した。設定方法も以前よりも見直され、簡単な操作で確実につながるようになった。