PR

 現代のニュース王、ルパート・マードックが経営するニューズ・コーポレーションが、自社傘下の新聞記事をGoogleの検索から見えなくすることにしたという。

 Googleの検索から見えないということは、キーワードにぴったりのニュースがあっても検索結果に表示されないということ。それだけではない。今やインターネット・ユーザーの毎朝の訪問先となったGoogleニュースにも出てこないことになる。

 Googleニュースと新聞社などメディア会社は以前から微妙な関係にあったのは、ご存知のところだろう。コストをかけて記者を雇い、手間をかけて取材する。そうして書いた記事にGoogleがただ乗りしているとして、何度も論争が起こっていた。AP通信など数社のニュース配信会社はGoogleと折衝し、ニュース提供に対する対価を得るような契約を結んでいた。他のメディア会社は、Googleニュースでクリックされればユーザーが自社サイトに訪れ、それで元が取れると考えて、Googleに記事を横取りされても涙をのんで耐えていたといったところだろう。

 ところが、ニューズ・コープによるとGoogleからやってくる客は「役に立たない」のだそうである。「彼らは確かやってくるが、記事を1本読んだだけで去ってしまう。そういうトラフィックは、最も価値が低い」とマードックは言う。そうしたユーザーのもたらす経済価値はとるに足らないので、いなくて結構、というわけだ。この処置が施されるのは数カ月後らしい。

 いやはや、Googleへの立派な宣戦布告という感だが、実はニューズ・コープは自社のコンテンツを有料化する構想を明らかにしている。検索から隠すというのも、おそらくその第一ステップだろう。

 ニューズ・コープ傘下に入ったウォールストリート・ジャーナルは、以前からオンライン版を課金している。重要な経済、金融記事が満載のこの新聞コンテンツは、仕事上読まねばならない人々も多いだろうし、そもそもウォールストリート・ジャーナルの読者は高給取りと言っていい。課金されてもさほど懐は痛まないのだ。