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 ネットの中立性についての議論が続いているが、いったい何が議論されているのか私には分からない。ネットの中立性とはどのようなものか、そしてそれを実現するにはどのような規制が必要かについて、1人ひとりが違う考えを持っているように思えるのだ。一方、やめるべき慣例についての具体的な苦言はあまり目にしない。私が見る議論のほとんどは推測だ。

 議論の多くは、2009年10月30日付けの「Wall Street Journal」紙の対論の論説に集約されている。1番目はこれだ。MozillaのMitchell BakerとJohn LillyはFCCの介入は必要だと述べている。だが、彼らが例として挙げているMozillaの成功を見れば、彼らが説明している問題がまったく深刻ではないことが分かる。Mozillaは政府の介入を受けることなく成長して、成功した。もちろん、それは有線インターネットだった。そしてBakerとLilleyは無線ネットワークの規則について論じている。彼らの主張は、簡単に言うと新しい会社が市場に参入する時の障害を低くしておくことを理論的に擁護するものだ。私はもちろん、市場へ参入しやすくするのは良いことだと考えているが、彼らがそれを実現するためには政府の法的措置が必要だ、と主張したりするとは信じられない。Adam Smithが資本家は、新規参入者の参入を阻むために自分の産業を規制するように政府に働きかけるものだと警告したことを指摘しておく。

 共和党上院議員のHatchとDeMintによる反対の主張がJournal紙の同じページで展開されている。彼らの主張は、現在の状況は非常にうまくいっているというものだ。彼らはその証拠としてiPhoneと「there's an app for that」(訳注:iphone 3Gのコマーシャル)の成功を挙げている。それは私から見るとかなり説得力がある。政府は「壊れていないものを修理しようとする必要はない」。

 修理が必要だとする具体的な訴えを探してみたところ、私が見つけた中で一番ひどかったのは、一部のインターネットサービスプロバイダーへの非難の声だった。無制限の帯域を使えると広告していながら、顧客が帯域を使いすぎると、アクセス速度を遅くするようにしているというのだ。私は、これが実際にどれくらいの範囲で行われているか知らない。しかし、我々はそれを防ぐための新しい規制や新しい官僚主義は絶対に必要ないのではないか? これは広告の嘘がはっきり分かる実例の一つだ。そして我々はそれに対処する手段を既に持っている。