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「山の神」の怒りには、歯が立たないぞ…

 常識やお小遣いの範囲内でも、買い物をはじめとした自分の行動が家人の気に障ることがある。

 筆者の独身時代のそれは本。とにかくすごい読書量で、買い込んで自室に運び込む本の量がハンパない。というわけで、おかんの目の上のタンコブ。その金額やら、床が抜けそうな部屋の心配やら(実際に知り合いの家でそういうことがあったそうで神経質になっていたのかも)、ふだんの学校の成績の悪さやら、さまざまなコトや思いが積層して、筆者が本を買う、本を持ち込むことの何もかもが気に入らない。あらゆるリクツも言い訳も、その怒りには歯が立たない。こうなると、人の言うことに耳を貸さぬ暴れん坊の「山の神」並みである。

 そんな感じなので、おかんの留守に本を運び込んだり、小包や宅配便が自分の留守に届かないよう画策したり、おかんが留守に自分の部屋に入ってもあからさまに本が増えている状況が分からぬように配置を工夫したり、いろいろ試みる。

 突拍子もないほどの出費はしてなかったつもりだし、要らなくなった本は古本屋さんに売ったりして、それなりに彼女の「タンコブ」を減らす努力をしていたが、「山の神」の怒りのターゲットは、筆者の本に関する何もかも、というわけであった。

 だからといって本を読むのをやめるわけにもいかず、おかんの精神衛生もイイようにしたい。おかんのキゲンはほかの家族へのヤツアタリとか、家族の安楽な生活をおびやかすことにもなりかねないので、やはり彼女の目に触れない、気に障らないようにコトを進めるしか方法はなかった。