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 大人になれば馴染みの店が1つや2つあるものだと先輩おじさま方が言ったりする。

 先日ラジオを聞いていたら「1人でふらっと入れる馴染みの店があるのが大人だよなぁ」と、あるパーソナリティーの方が言っていた。なるほど、そうなのかもしれない。のれんをくぐり「ごめんよ、冷えるねぇ~、いつものやつをで適当につまんでぇ」と十数年来の店で今の話しと昔話が交錯し癒される場所となる。さて僕にはそんな店があるのか。しばし考える……十数年行きつけなんてない。

 いや、1つあった、酒は飲めないつまみは出ないが、20年近くことあるごとにここに通い、そして癒されてきた。中野にある中古カメラ好きにはご存知! の「フジヤカメラ」。

 よく通って、ガラス越しに憧れのカメラを眺め、あの一眼レフカメラにこのレンズ、このレンジファイダーにこの外付けファインダーを付けてと思いをはせた。アレさえあれば、ロバートキャパになれると妄想は広がるばかり。ショーウィンドーの妄想でいい気分に酔いしれて、癒されていた前座、二ツ目時代である。小銭を貯めてニコンのF3を購入した時は嬉しかった。と同時に、ロバートキャパにはなれないことを頭では分かっていてもカメラを手にし現像からあがてきたしょぼい写真でしっかりと自覚する。

 そんな折にも家にまっすぐ帰らずフジヤカメラに寄ってしばらくふらふら~とし、時には自分の所持しているレンズを下取りに出して別のレンズを購入していたりして写真を撮りまくった。レンズを変えても腕は変わらないことは分かっていてもアレコレ使った。

 そんな中古カメラ専門業界自体もデジタルカメラの登場で変わったようだ。機械式カメラの価値は下がらないが、デジタル、いや電気で動くものは時代の流れに消えていくのだ。そんなことは分かってはいたが、久しぶりに馴染み! の「フジヤカメラ」にふらっと行ってみた。

 なぜ行ったかというと、近々、不肖彦いち! 南米のギアナ高地に出かけることになっているのであります。(余談っすが、以前、報道カメラマンの宮嶋茂樹さんとラジオ番組でご一緒し、好奇心噺家として時に「不肖」を名乗ってもいいっすか? と許可をもらったりしたのでした。ちなみに今初めて使ってみました。)

 そこでカメラが必要なわけで、帰国してからもスライドショーなどで使う重要な写真になるので現在使っているカメラセットを買い換えてみようと思った。カメラがPENTAXのistDという2003年9月に発売された、PENTAXの最初の一眼レフで当時のフラッグシップである。シャッター音がなかなか良くて今でもファンがいるほど。その間よく一眼レフ買わなかったなぁ。

 現在というかここ数年来使っているのはリコーのGR DIGITALのみ。今回はやはり中望遠も久しぶりに必要だと思ったので、istDをひっぱり出してみた。動かしたら動いた。むむむっつ、質感もいいなぁ。でも時代遅れなのか。まぁすっきりと下取りになってもらい、新しいものを買おうなぁと、その後購入した、15mmの超広角レンズと28mm f2.8という広角レンズ、18~50mmのズームレンズを片手にフジヤカメラののれんをくぐった。