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 今や企業規模を問わず、商品の販売促進担当者はブロガーの影響力を無視できなくなっている。日夜、どうすれば多くのブロガーに好意的な記事を書いてもらえるか頭を悩ましている。そこで、ブロガーに効率的に商品サンプルを配布するために「モラタメ(moratame.net)」などのサービスを利用している企業も多い。そうしたサイトでは、サンプルや新商品をもらって試してその感想をブログ記事やコメントで返してくれるブロガーたちを組織化している。

 しかし、サービス利用には、タダでもらえる商品を狙う懸賞ハンター、わざとらしく褒めるサクラブロガー、さらには酷評されるリスクなどの問題もつきまとう。そのため、ネット経験の浅い企業は尻込みしがちである。

 今回は、日々ブロガーと接するメーカー経営者であり、同時に企業からモニターを頼まれるブロガーでもある筆者の実体験から、両者が良好な関係を築くための心得を考えてみたい。

1.ハッとする商品で五感に訴える

 どんなに販促費をかけ、多くのサンプルを配布したところで、商品に感動しなければネットコミは起こらない。試してみたら「味わったことのない美味だった」「初めての使い心地だった」といった五感に訴える感動が必要なのだ。いくらネットとはいえ、ハッとする商品の魅力こそが、ブロガーとの関係づくりの第一歩なのである。

2.作り手の顔と想いを「見える化」

 商品に感激したら、どんな人がどんな想いで作っているのかを知りたくなるのがブロガー心理。だからこそ、作り手の顔が見えるブログなどでの情報発信が不可欠だ。幸いにして、最近ではYouTubeなどをうまく使えば、お金をかけずに、商品を作っている達人の素顔や生産現場を生々しく伝えられる。

3.タダより高いものはプライド

 商品を無料であげさえすれば、誰でも喜んで「お世辞めいた記事」を書いてくれると思ったら大間違いである。心あるブロガーなら、提供企業に恩義を感じながらも、タダほど高いものはないことを知っている。使ってみたら良くなかった商品まで安易に褒めてサクラブロガーだと思われることを何より恐れ、よしとしないはずだ。

4.どんな商品の反応も2:6:2

 自信のある商品でも、誰もが一様に賞賛してくれるわけではない。2:6:2の経験則で言われるように、2割の人が褒めたとしたら、2割の人はケナすぐらいが自然なのだ。もし全員が褒めたら、それこそお金を使ってサクラブロガーたちに書かせたのではないかと、賢明な読者は勘ぐってしまうだろう。

5.絶賛される商品ほど酷評もされる

 自信作をネットで酷評されるのはつらいことだが、落ち込みすぎてはいけない。なぜなら、ある顧客層に熱狂的に絶賛されるような商品ほど、その反対の趣味嗜好を持つ顧客層には酷評されやすいからである。また、斬新な商品であればあるほど賛否両論に分かれて酷評されやすいが、少数でも賞賛者がいるなら気にしすぎないことだ。

6.賛否両論あろうと数がモノを言う

 ある大手ネット通販の担当者に聞いたところ、読者によるレビューが多い商品ほど売上も多いという相関が見られるらしい。面白いことに、商品に批判的なコメントがあっても売上にはあまり関係がないらしい。つまり、賞賛であれ批判であれ「書き込みが多ければ多いほどありがたい」というわけだ。

7.決め手はリピーターの愛ある言葉

 とはいえ、モラタメのようなサイトは、心あるメーカーと未来の愛用者が縁を結ぶきっかけにすぎない。その後も商品を気に入って買い続けてくれるリピーターや、生涯この商品しか買わないというロイヤルカスタマーがどれだけ増えるかが重要だ。こうした特別なお客様が愛情をこめて商品を語るブログ記事に勝るネットコミはない。

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 中小企業でも、商品と作り手に魅力があれば、ブロガーへのサンプル配布は有効な戦略だ。むしろ、商品への思い入れが強く、作り手の顔がよく見える中小企業の方が有利かもしれない。