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 何カ月もの間、激しくうわさが先行していたアップルのタブレット「iPad」がとうとう発表された。

 9.7型のカラー液晶のタッチ・スクリーン、厚みは1.25cmで重さが680gだ。見たところは、うわさ通りiPhoneやiPodを引き延ばして大きくした感じである。iPhoneと同じOSを使用、CPUの動作周波数は1GHzで16G、32G、64GBモデルが出る。アメリカでの発売は、Wi-Fiモデルが3月中、3Gモデルが4月の予定。

 サンフランシスコのプレス発表でデモをしたスティーブ・ジョブズは、このiPadはノートパソコンとスマートフォンの間に入る「3つ目のカテゴリー」のデバイスだと語る。  「新しいデバイスが割って入るような余地があるだろうか? 確かに壁は高い。だからこそ、このiPadはいくつかのキーとなる機能をうまくこなさなきゃいけないんだ」。

 そのキーとなる機能は、Webブラウジング、メール、写真、動画、ゲーム、そして電子書籍だ。ノートPCとスマートフォンの間にはネットブックというカテゴリーがあったはずだが、ジョブズはこれを一蹴。「ネットブックはただのチープなノートPC。何もちゃんとはできない」。ジョブズによると、iPadはユーザーに親密な感情を沸き起こすデバイスで、手の中に入るインターネットなのだそうである。

 Webブラウジングや写真、動画、ゲームなどは、確かに手の中に入り、スマートフォンよりも画面が大きくなったことで、それらしく楽しめるようになる。新聞社のNew York Timesは、すでにiPad 用のアプリケーションを開発していて、iPhoneなどのスマートフォンよりも読みやすく、それでいて携帯できるという新聞メディアの新たな路線を打ち出している。

 アメリカの雑誌社も、死に絶えつつある紙メディアに代わるディストリビューションの方法をあれこれ探っている中、タブレットというデバイスはかなりイケる筋のはずだ。  だが、タブレットを出すアップルの本来の狙いは、テレビ配信と電子書籍にあると言われている。

 テレビについては、今回の発表ではほとんど触れられなかった。おそらくテレビ局との折衝がまだ終わっていないのだろう。アップルは「ベストTVパッケージ」なるものを組んで、人気番組をパッケージ化し、それを定額見放題で売るというモデルを考えているとされるが、テレビ局はケーブル・テレビや衛星放送、地方局との契約でがんじがらめになっている。すぐさま第三者の運営するインターネット・テレビのモデルに移行できないのだ。

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