日本人好みのシンプルデザインは受けない
筆者自身、日本人向けのサイトを作って、サイトにマッチングしそうな中国人の顧客に広告を載せないかと声をかけたことがある。そのときに返ってきた言葉は「シンプルすぎるデザインだ。これではサイト訪問数は少ないに違いない。ごちゃごちゃしないと広告は載せられない」というものであった。前述のポータルサイト「網易(NetEase)」は以前、日本人受けしそうなシンプルなサイトデザインにリニューアルしたことがある。しかし中国人の支持を得られなかったのか、再びごちゃごちゃしたサイトデザインに戻した経緯がある。
中国市場を狙った日本企業のオンラインショッピングサイトも続々と上陸し、「日本的なシンプルなデザイン」を武器の一つにオープンしいる。ところが、現地の市場レポートによると、日本発のショッピングサイトの市場シェアはほとんどなく、あったとしても「その他」に含まれているのみ。一方で、中国のB2B(企業対企業取引)サイトで知られる阿里巴巴(Alibaba.com)が日本に進出した当初は、日本人に合わない文字情報を詰め込んだ中国チックなサイトだったが、盟友ソフトバンクの協力で、日本人に受け入れられるデザインに変更している。