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 最近では、ずいぶんと電子出版についてのニュースを目にします。アマゾンが乗り込んでくるという話もあって、業界だけでなく広く話題になっているようです。筆者は、かつて、パソコン系の雑誌で編集者をしていたことがあるので、そのときの経験をもとに、少し、電子出版について話してみようと思います。

 そもそも、新聞、雑誌、書籍などの出版物は、印刷技術を使って大量に作り、これを安価に流通させる仕組みに乗せることを前提としています。毎日配達される新聞は、日本各地に印刷所を持ち、これを販売店に輸送し、販売店が地域内に配布するという仕組みが作られています。雑誌なら、取次と呼ばれる販売会社を通して全国に配達が行われます。そのほか、コンビニなどの流通ルートもあります。書籍は、販売期間が雑誌や新聞よりも長く取れるため、一度に多くの量を配布する仕組みに乗ることは必ずしも必要ではないのですが、それでもある程度まとまった部数を印刷、製本する必要はあります。

 もし、ある新聞社や出版社が発行している新聞や雑誌を「電子化」するとしましょう。話を簡単にするために、電子化とは、Webサイトなどで出版社自身が顧客に直接提供するものとします。

 記事や内容などのコンテンツは、印刷物と同じように作り、電子的なものとしてインターネットなとで配布するのであれば、中身を作って体裁を整える「制作」の仕事は、印刷する場合とほとんど共通化できます。多くの出版物は、DTPソフトウエアなどで制作されているため、最終出力を紙ではなく電子出版用にすれば済むはずです。このため、ある程度の人手が必要だとしても、全体から見ればかかるコストはわずかになります。