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 みなさん、モバイルしていますか? ソフトバンクモバイルの「iPhone」に対抗するNTTドコモのAndroidスマートフォン「Xperia」に触れる機会がありました。素晴らしい端末ではあるのですが、そこでちょっと感じたことを今回は書かせていただこうと思います。触ったのがテスト機なので、実機で実際にこうなるかは分かりません。ただ、テスト機で感じたことを率直に述べさせていただきます。

 Xperiaは、非常に高スペックな端末で、映像などリッチコンテンツをサクサク表示します。また、ソニー・エリクソン製のアプリケーションがてんこ盛りで、以前紹介した「Timescape」や、音楽・動画・写真を管理するアプリケーション「Mediascape」などは、新しいコンセプトのアプリケーションです。

 しかし、触っていて、違和感を感じることがあります。「これは何なんだろうなあ」と思っていたのですが、ソニーのかつてのPDAの「CLIE」や、現在発売されている各社のWindows Mobileスマートフォンに感じるものと同じでした。

 Xperiaは、グーグルのAndroidをベースにしつつ、ソニー・エリクソンらしく装飾され、NTTドコモの高速通信機能を持った端末です。しかし、ソニー・エリクソン端末として使おうとすると、Androidな部分が出てきてしまい、使いにくく感じてしまう場面がありました。例えば、TimescapeではタイムラインでTwitterの発言を追うことができるのですが、Twitterの発言を見ようとすると、Webブラウザーが起動してWebブラウザー上で確認することになってしまいます。アプリケーションを意識させないマルチメディア端末という売りではありますが、内蔵のアプリケーションに頼らざるを得ない状況です。

 また、Androidとして使おうとすると、NTTドコモの制限が気にかかる部分があります。それは、iモードメールを使えないことです。アプリケーションを導入すれば、iモード.net経由でメールを扱うことはできますが、購入した初期状態でiモードメールが使えないということは、携帯端末としての大きなデメリットになります。iモード.netの利用には別料金がかかることもデメリットでしょう。私はよくAndroidの購入相談をされるのですが、これがネックで機種変更を勧めることができません。

 そもそもXperiaに限らず、Android端末がテザリング機能を備えていない点も気になります。テザリングとは、スマートフォンをモデムとして使ってパソコンをインターネットに定額で常時接続することです。NTTドコモ端末はパソコン用モデムとして利用すると高額ではありますが、一応、青天井ではなく上限金額が設定されています。しかし、Android端末は、パソコンモデムとして利用ができません。iPhoneへの優位性を語るのであれば、テザリング機能を搭載すべきではないでしょうか。

 スマートフォンでありながら、グーグル、ソニー・エリクソン、NTTドコモといった三者三様の思惑が融合していないような感覚でした。

 かつて、ソニーは「CLIE」というPDAを発売していました。PDA OSとして、とても使いやすかった「Palm OS」を、ソニーらしくエンターテインメント化したPDAでした。しかし、CLIEの方向性とPalmの方向性は融合することなく、結果的には終了してしまいました。

 Windows Mobileに関しても、同じような道を辿っているように感じています。自由に使えるWindows Mobileに、各社がカスタマイズしたUIを載せるものの、結果的には融合しない違和感を感じてしまい、また、各キャリアの思惑で、さらに使いにくくなっているように思えます。

 ソニー・エリクソンの担当者はブロガー向けの発表会で、「XperiaでiPhoneに勝つ」とおっしゃっていました。確かに、ハード面のスペックやTimescapeなどの新しいコンセプトは素晴らしいものがあります。しかし、それだけで勝てるでしょうか。iPhoneの魅力とは、それだけのものなのでしょうか。

 iPhoneのような一環した方向性で作った製品は、一歩間違えば、ガラパゴス化してしまう可能性もあります。しかし、ユーザーにとっての違和感は少なくなります。Xperiaに期待しているだけに、各社には、日本ならではの、ソニー・エリクソン+グーグル+NTTドコモの垣根を取り払った本気のプロジェクトで、Xperiaを盛り上げてほしいと思います。