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 先月から気になっている事件がある。

 ペンシルバニア州の公立高校が、生徒のノートパソコンのウェブカメラを通して自宅での様子をモニターし、「不適切な行い」をしていたと生徒に注意したというものだ(参考記事)。この生徒の両親が学校を相手に訴訟を起こして、明らかになった。

 このノートパソコンは、コンピューターを持つ生徒と持たない生徒とのギャップを埋めるために学校側が提供したもの。それが生徒をモニター、監視するために使われ、プライバシーを侵害したとして、現在FBIが調査に乗り出している。

 この事件が報道されてから、同様のことが行われているという訴えがいくつも出ている。勉強のために与えたコンピューターで、生徒がフェイスブックのページづくりに夢中になっているのが分かったので、それを改めさせるために写真を撮って注意をした例などもあるらしい。学校側としては、相手は生徒だし、悪意を持ってやったことではないだろう。それでもこっそりと相手の様子をモニターしているとは、不気味なことだ。

 テクノロジーを使った監視の例は、これほどあからさまでないにしても数々ある。

 たとえば、製造工場では作業台の上に手が出ているかどうかをモニターする技術があるという。つまり従業員が作業をちゃんとしているかどうか、のんびり一休みしないで、作業を行っている時間がどのくらいなのかをこれでモニターし、測るのだ。手が出ている時間が短いと、「サボっている」と証拠を突きつけられて注意されるというわけだ。

 また、カスタマーサービスの番号に電話をすると、「この電話は社員教育のために、録音されている場合があります」というアナウンスがよくある。ところが電話の向こう側でやっているのはそれだけではない。聞いた話だが、たとえば通話中に罵詈雑言が発せられると、すぐさま窓口より上の部署へ通報が届くことになっているらしい。声の音量で感知されるのか、それとも特定の単語でその機能が働くのかは知らないが、客と「争いごと」が起こっていることが上へすぐ届くというわけである。

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