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 2010年4月2日、総務省はSIMロック解除についての公開ヒアリングで、「携帯各社がSIMロックの解除に応じることで一定の合意を得た」といった発言(内藤正光総務副大臣がヒアリング実施後に発言)があり、世間的にはSIMロック解除に向けて大きく動き出しました。ただし、事業者側は必ずしも「合意」したという印象は持っていないようです。

 最終的に、法的な強制になるのかどうか、対象が限定されるのかどうかを含めて未定な部分はあります。しかし、日本国内でも、事業者を選ばずに利用できる端末が販売される可能性や、購入後、一定期間後にSIMロックを解除できる可能性が出てきました。ただし、これから話すように、これはそのとっかかりでしかありません。

 現状、国内で販売されている携帯電話のほぼすべては、購入した携帯電話事業者のSIMカードしか利用できない、いわゆる「SIMロック」された状態です。海外では、購入したあと一定期間が経過したのち、事業者にSIMロックの解除を要求できるように定めている国もあります。

 SIMロックの解除については、2006年の「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」の報告書で、販売奨励金の禁止とともに提案されていました。この報告書は、すでに総務省のサイトからはアクセスできませんが、国会図書館のWebサイトで検索が可能です。

http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/258151/www.soumu.go.jp/s-news/2006/060719_2.html#bs3

 販売奨励金の方は、事業者も負担に感じていたところがあったため、現在では奨励金なしの割賦販売などが実施されています。しかし、SIMロック解除については抵抗が大きく、当時、結論が出ませんでした。結局、モバイルビジネス研究会の報告書を基に作成された総務省の「モバイルビジネス活性化プラン」で、2010年に結論を出すことになりました。いろいろと言われていますが、事業者からの抵抗が大きく、しばらく待ちましょうということだったのです。なぜ2010年なのかというと、LTE(Long Term Evolution)などのサービスが開始される年でもあり、状況が変わる可能性もあったのです。そして、冒頭でも説明した、SIMロック解除という話になるわけです。

 このSIMロック解除で総務省が動いているのは、携帯電話ビジネスを含む「モバイルビジネスを活性化」するためで、ユーザーの保護などのメリットはあくまでも「間接的」なものであるということです。この点を見逃すと、話がよく分からなくなってしまいます。総務省は、「活性化」のため、現在の携帯電話ビジネスの構造を変えようとしているのであり、SIMロック解除もそのための「手段」なのです。