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 シリコンバレーの景気は回復したか。

 アップルのiPadが発売以降1カ月足らずで100万台売れたとか、ソーシャルネットワーク系のサービスが次々と拡充されているといったニュースを聞くと、シリコンバレーは勢いを取り戻しているような感想を持つ。ところが、実際のところ、景気がどうなっているのかは分かりにくい。

 地元大手企業の業績は少しずつ回復しているようだが、まわりの店でモノが売れているとか、レストランに人が入っているといったような「賑わい」の感覚は、いまひとつないようだ。こうした賑わいを支えるのは何と言っても雇用率の高さ。シリコンバレーの失業率は全米と比較してもかなり高く、4月半ばに発表された3月の数字で12%を超えている。

 ジョイントベンチャー・シリコンバレーという組織は、毎年シリコンバレーの1年間の見通しを発表する。それによると、今年発表された見通しはすこぶる冴えない感じである。何でも、全米の経済が回復に向かっても、シリコンバレーはなかなか浮き上がらないだろうというのだ。

 その理由は、これまで技術の開発を支えてきた外国人エンジニアが自国へ戻っていることや、新たなエンジニアがアメリカでの滞在許可をもらいにくくなったこと。そして、シリコンバレーの生活費のあまりの高さから、ここを敬遠するビジネスが増えていることだ。

 何でも、特徴ある地域にはそれぞれの特徴ある経済指標があり、それはウォール街では銀行員のボーナス、ハリウッドでは新作映画のチケットの売れ具合、そしてシリコンバレーでは、パテントの取得数とIPO(新規公開株)の数なのだそうだ。この二つはいずれも未だ回復を見せていないものである。

 一方で、グーグルやインテル、シスコ・システムズ、ソーシャルネットワークのリンクトインなどでは、ガンガンと人を雇い始めたという話もある。大手企業は、レイオフの規模も大きいが、雇用もスケールが違う。数千人単位で人を増やしたりするから、そのインパクトは強いのだ。