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 「また、辞めてしまった。」と、何回書いたのだろうか。今度はわずか1年ももたなかった。新政権の短命もささやかれている。今の政策を引き継ぐというならば、それも仕方あるまい。

 国民は、総理が1年もつか、もたないか、で変わり続けるこの国の異常事態をもっと深刻に、そして大きな視野で見つめ直さなければならない。映画「不都合な真実」にはこんなアニメが登場した。熱湯に飛び込んだカエルはびっくりして逃げ出すが、水から熱せられたカエルは沸騰するまで、その危険に気づかない。

表1●平成以降の内閣総理大臣
 氏名在職期間在職日数
1宇野 宗佑1989年6月3日1989年8月10日69
2海部 俊樹1989年8月10日1991年11月5日818
3宮澤 喜一1991年11月5日1993年8月9日644
4細川 護煕1993年8月9日1994年4月28日263
5羽田 孜1994年4月28日1994年6月30日64
6村山 富市1994年6月30日1996年1月11日561
7橋本 龍太郎1996年1月11日1998年7月30日932
8小渕 恵三1998年7月30日2000年4月5日616
9森 喜朗2000年4月5日2001年4月26日387
10小泉 純一郎2001年4月26日2006年9月26日1980
11安倍 晋三2006年9月26日2007年9月26日366
12福田 康夫2007年9月26日2008年9月24日365
13麻生 太郎2008年9月24日2009年9月16日358
14鳩山 由紀夫2009年9月16日2010年6月4日262
15菅 直人2010年6月4日現在 
注1:平均在職日数 1)菅直人氏を除く場合:7685日÷14名=549日 2)小泉純一郎氏の在職日数を除く場合:(7685日-1980日)÷14名=408日 3)小泉純一郎氏の在職日数を除き、菅直人氏を含める場合:(7685日-1980日)÷15名=380日 注2:歴代総理大臣の平均在職日数 ・在職期間計 45120日÷歴代総理大臣数 60人=752日 注3:在職日数は臨時期間や内閣の終わりの日と始めの日が重なるなどのために当該期間の日数と異なる

 平成から在職期間を開始した総理大臣は、1989年6月3日に就任した宇野宗佑氏から数えて、今回の菅直人氏が15人目である。近年では特異なほどの長期在職となった小泉純一郎氏の約5.5年を除くと、ほぼ1年で総理が交代している(表1)。日本はリーダー不在の国家である。わが国の中央集権体制はもはや持続困難な状況にあり、議員内閣制による中央政府の機能は著しく低下した。安定した外交政策もままならない。

 だから今回、若い有能な政治家たちが総理の席に背を向けたように、誰が総理かという議論をしても意味はない。古い政策を引き継ぐならば、次の政権も短命に終わる。