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 Twitterを始めて半年にして、もはや「つぶやき」のない世界に戻れなくなってしまった。講演で勧めるだけでなく、仲の良い経営者に会うたびにTwitterを勧めた結果、多くの社長がハマった。そんなTwitter社長と会うたびに話題になるのが、企業、特に大企業の“公式Twitter”のつまらなさ。弊社にも公式アカウント(@kume_tokyo1935)があるので冷や汗ものだが、企業Twitterのあるべき姿を考えてみたい。

稟議が面倒でつぶやきが足りない

 第一に、公式アカウントを作ってみたものの、つぶやく量が少ない企業が目に付く。おそらくは、つぶやく前に上司の承認か稟議がいるのだろう。それが面倒でつぶやく数も減ってしまう上、その間に絶好のタイミングを逃してしまう。担当者も上司も、自分自身でTwitterを楽しんでいなければならない。そうでないと、プレスリリースを流すがごとく、1日1本の一方通行でも、疑問を感じなくなってしまう。

チラシ的お知らせを大量配信

 その反対に、やたらとチラシ情報のようなものばかり大量につぶやかれても困る。わざわざTwitterを追っかけているファンなのだから、不特定多数にバラまく情報でおぼれさせては失礼だ。ありきたりの情報があふれると見たくなくなる上に、時折流す本当に大切な情報が埋もれて目立たなくなる。チラシ、Web、メルマガとは異なる情報をピンポイントで発信してほしい。

当たり障りがなくてつまらない

 一番の不満は、当たり障りのない言葉ばかり並んでいることだ。コンプライアンスや機密情報の保護など制約が厳しいことも、「炎上」や「祭り」を恐れることも分かる。しかし、メリットだけあってリスクがないメディアはない。双方向で親しみのあるTwitterを使って、一方通行の格式ばったことをしても、笑われて企業イメージを落とすだけだ。

つぶやいている人の顔が見えない

 ネット通販では、店長の顔と人柄が見えるとよく売れるのは常識である。Twitterでも、つぶやいている人の魅力でフォローしたくなるのに、企業のTwitterは、没個性で担当者の顔が見えない。つぶやく本人の愛情や喜怒哀楽が伝わらなければ、つぶやきにも魂がこもらない。テレビ番組「龍馬伝」前後にTwitterで叫ぶソフトバンクの孫正義さんが良い手本なのだ。

自分は少しもフォローしない

 企業の公式Twitterの中には、フォローはされているのに、自らフォローはしないケースも見受けられる。全部は読み切れないし、フォロー数の制限があるからだろうが、企業の公式アカウントからフォローされるのは、個人にとってはうれしいものだ。個別に返信されたつぶやきだけ読めばよいので、数が許す限りフォローをしたい。

返信の返信に心が通っていない

 ファンにとってたまらないのは、企業の公式サイトに思い切って返信やリツイートをした後で、あこがれの担当者からのうれしい返信を目にすることだ。半面、その返信がいかにもマニュアル的で親しみが感じられないとがっかりする。もちろん時間にも表現にも制約があるだろう。だから、複数の人たちに、まとめて返信をすることもある。それでもコピペ的な対応は避けたい。

楽しいイベントでつぶやけない

 企業Twitterをフォローするファンは、担当者と一緒に商品開発やPRに参加したいのである。先日、ソニーが新製品をお披露目するツイッタラー向けのパーティーに参加したが、設計者が自ら語る細部のこだわりに感銘して、思わずつぶやき続けた。さらに初対面の参加者ともTwitterでつながれて楽しかった。イベント開催も公式Twitterとセットなのだ。

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 まずは経営者と広報トップが、個人的にTwitterに挑戦してみてほしい。その大きな可能性とメリット・デメリットを体感すれば、やって良いことと悪いことが分かるだろう。すると権限と制約の与え方、トップの関与の仕方もイメージできるはずだ。