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 世間では、国内での電子書籍でいろいろと動きがあるようですが、著作権の切れた作品を公開している青空文庫向けには、すでにいろいろとソフトウエアも出ており、手軽に楽しめる環境が整っています。もちろん、最新のベストセラーなどが読めるわけではありませんが、逆に「名作」と言われるような文学作品を簡単に読むことができます。

 本好きという人でも、いわゆる名作ものを広くカバーしているとは限りません。筆者も、子供のころから本は好きでしたが、いわゆる名作ものよりは、「少年探偵」とか「怪盗ルパン」みたいなものばっかりで、そのまま大人になってしまいました。教科書にも取り上げられるような日本の作品も読まねばと思う半面、なかなか手が出ないのが実際のところ。本屋に行っても、気になる本を何冊も買ってしまうと、その上でさらに日本文学の名作のようなものを購入するのにはちょっとちゅうちょしてしまいます。また、本屋にもいろいろあって、例えば筆者の自宅近所の本屋は、ベストセラーや実用書中心。日本文学の名著がそろうような棚もなければ、岩波文庫も扱っていません。

 そう考えると青空文庫は、なかなか手が出ない名作を読むのにうってつけの方法といえます。というのも、スマートフォンでいつでも好きなときにダンウロードして読めるからです。筆者は、米アマゾンのKindleが最初から携帯電話による通信機能を備えており、いつでも本を入手できるようにしたことは、慧眼だと思っています。なぜなら、書籍の入手に関して、ネット通販以上に便利な機能だからです。物理的に本を運ぶとすれば、どうしても1日や2日はかかってしまいます。書店にある本なら、その場で入手できますが、夜中や自宅にいるときには、書店に出向かなければなりません。

 どこでも好きなところで、いつでも自由に書籍を入手できるというのは、デジタル化された情報の強みといえます。もちろん、世の中は、すべてデジタルの情報というわけではないので、入手できないものもありますが、ある程度の数があれば、すべての人の欲求は満たせないまでも、特定の嗜好を持つ人たちを満足させることができるでしょう。

 そういう意味では、青空文庫には、すでに多くの作品が集まり、ここにいくつか、自分の読んでみたい本があれば、これほど便利なものはありません。

 ですが、日本固有の問題としてルビや縦書きといった表記方法があり、海外で作られたソフトウエアではその表現が難しかったという問題がありました。例えば、Webブラウザーやテキストビューアーなどでは、海外で作られたものが大半で、縦書き表示ができなかったり、ルビを表現できないことがありました。

 それで、青空文庫をそれなりの品位の表示で読むのには、パソコン上でソフトウエアを使ったり、ルビを表示させるが、横書きで我慢するという方法などを利用していました。かつてのモバイル機器は、それほど処理性能が高くなかったために、モバイル機器で利用しようとすると、どうしてもパソコン側での変換などが必要でした。例えば、1990年代にはやったPalmシリーズはよくできていましたが、当初のハードウエアではJPEGの表示さえ困難でした。メモリーが少なく、CPU性能も高くなかったし、表示はモノクロでした。

 しかし、現在のスマートフォンは、数100M~1GHz近いクロック周波数を持ち、JPEGやMP3のデコード処理をなんなくこなし、複雑なWebページの表示も可能です。そういうわけで、青空文庫なども、かなり高品位な表示で読むことができるようになったのです。

 通信でダウンロードしてそのまま読めるというのは、自分で本をスキャナにかけて電子化したり、ダウンロードしたデータを加工してモバイル機器に転送するよりも確実にラクで簡単です。