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 日本にもグルーポン(関連記事)が上陸したそうである。

 グルーポンとは、共同購買の仕組みをクーポンに仕立て上げたサービス。アメリカでは2008年秋に設立されてから、その後グングンと人気が上がっている。同様の企業を買収して進出した日本だけでなく、イギリスでもサービスを広げているようだ。

 これは本当に頭のいい商売だと思う。例えば、地元サンフランシスコの本日のグルーポンサイトを見ると、ダンスクラスが3回でたったの15ドルで売られている。本来は45ドルするところを67%のディスカウント。このクーポンの購入希望者が100人を超えたら値引きが成立するのだが、夕方の時点で何と805人が購入希望。いや、見ている間にも数は増え続けている。このダンススタジオは人であふれ返り、いい宣伝にもなったわけである。

 グルーポンはつまり、地元の店で、人々の興味を集めそうな値引きを宣伝して、それを日替わりであれこれ売るというサービスだ。これまでサンフランシスコのサイトで目にしたものでも、買ってみようかと思わせるものがたくさんあった。手作りのチョコレートが半額とか、スパ・トリートメントが40%引きとか。それにしてもダンスクラスが3回で15ドルとは、激安すぎる。運動不足だし、本当に行こうか……。

 ただ、毎日グルーポンを見ていると、結局たくさん無駄遣いすることになりそうなので、見るのを慎むようにしている。まあ、それだけ魅力的ということだろう。

 グルーポンは激安に見えて、店側も決して損をしない仕組みだ。新しいクーポンは毎朝告知される。ディールは一定数の購入希望者が集まらなければ成立しない。店側は、最初から元が取れるようはじき出しているわけだ。

 購入希望者側も、ディールが成立するまでクレジットカードから代金を引かれない。今日中に申し込まなきゃという焦りとお得感への興味が相乗効果を起こして、ついつい購入希望ボタンを押してしまうわけだが、ちゃんとフェアな仕組みになっているのである。

 ところで、クーポンというものはアメリカでは長い歴史があり、広く利用されている商売方法である。

 例えば、新聞の日曜版に挟まれてくる分厚い広告。このほとんどがクーポンのブックレットだ。いろいろなメーカーの食料品や日用品のクーポンがブックレット状に一括されていて、そこから気に入ったものをはさみで切り抜いておくのである。クーポン目的で、日曜版だけ新聞を取っている人が少なくないほどだ。新聞代を払っても、クーポン利用で十分得をするという計算である。

 新聞のチラシだけでなく、最近はメールで空港の駐車場のクーポンが送られてきたり、オーガニックスーパーのパンフレットにいろいろな食料品のクーポンがついていたりする。

 何でもうわさによると、あのマドンナも最近までクーポンのクリッピングをしていたとか。その真偽のほどは知らないが、ともかくクーポンをたくさん持ってスーパーにやってきて、レジのところで値引きしてもらっている人が本当に大勢いるお国柄なのである。

 リーマンショック以降は、クーポン利用にますます拍車がかかり、上手なクーポンの使い方を伝授する主婦のサイトも増えた。驚くことにアメリカのスーパーは、メーカーがクーポンを出したその週に同じ商品を店内で値引きしたりする。客は値引きにクーポンを合わせて、本当にタダのような値段でその商品を買っていく。伝授サイトは、いいタイミングでクーポンを使えば1カ月に何百ドルも節約ができると、あれこれ知恵を授けてくれるのだ。

 グルーポンは、そんなクーポン社会をうまく受け継いだものだろう。この不景気時代を経験して、人々はもう定価でモノを買おうなどとは思っていない。クーポンのビジネスチャンスはますます大きくなっているのだ。