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 「iPad」を個人的に購入して約2カ月がたちました。この話題の多機能情報端末の魅力については、現在発売中の『日経PC21』11月号の特集「iPad最初の1歩 5分で分かる!設定と魅力」で紹介しています。iPadは様々な機能を備えているので、ユーザーはそれぞれ自分好みの使い方ができるはずです。ノートパソコンと比べると、特に遊びやエンターテインメントに関連した機能に優れているので、私は現在のところ、もっぱらそうした機能を中心とした使い方をしています。

 私の住む埼玉県の某市から会社のある東京・白金高輪までは片道約75分。これまでは、往復にして2時間30分という時間を、毎日どうやって有意義に過ごすかというのは、なかなか頭を悩ませる問題でした。もともと携帯などのゲームには全く興味がなく、かといって読書などは、疲れているときにはあまり集中できません(編集者のくせに少し情けないですが…)。

 iPadを購入してからは、この通勤時間にもっぱら音楽映像を観賞するようになりました。これなら多少疲れていても楽しめますし、動画再生というiPadの得意分野の機能が、十分満喫できる使い方でもあります。もちろん音声はイヤホンで。座席に座れた場合はもちろんのこと、そんなに混んでいなければ、立ったままでも見ています。

 見る映像は、ユーチューブなどのストリーミングやiTunesで購入したミュージックビデオなどです。iPadはWi-Fi+3G版を購入したので、JRに乗車中はネットでストリーミング観賞、地下鉄ではダウンロードしたビデオを鑑賞、という具合に使い分けています。電車内でこのような使い方をしているユーザーはまだ少ないようで、観賞中に周りの乗客にのぞき込まれることも珍しくありません。視野角の広さが売り物のiPadだけに、周りの乗客も私と同様、きれいな映像が見られるはずで、あの薄いきょう体の広い画面に映し出される、スムーズで高精細な動画に驚いている様子を感じます。

 このように「通勤中の映像観賞」というのは、購入前には予想していなかった楽しみ方でした。購入前、私が想定していた主な使い方は「外出先でのメールチェック」「外出先でのツイッターやネット検索」そして「お絵描き」の3点でした。「外出先でのメールチェック」「外出先でのツイッターやネット検索」に関しては、予想通り、というかそれ以上に快適に使えました。「お絵描き」に関しては、以前、某タブレットPCを使っていたとき、CPUやOSのポテンシャルの低さから、満足がいくディスプレイ入力ができなかった経験があり、その意味で、ハイスペックのiPadには大いに期待をしていました。しかしその結果は、残念ながら「完全に満足」とはいきませんでした。

 専用ペンをディスプレイ上で動かした時に、線が現れるレスポンスはまずまずなのですが、描きたいジャストの位置に点や線が“載らない”、つまりほんの僅かですが“ずれる”のです。その原因は、iPadのタブレットが「静電式」であること。静電式は、ディスプレイが指や専用ペンの「徴弱電流」を感知して、タッチされたところに入力されるシステムで、「力を入れずに入力できる」というメリットがあります。これに対して、一般的なタブレットPCに採用されている「感圧式」は、タッチパネルを押した時の圧力を感知してそこに入力されるシステムで、「より正確な位置への入力」や「筆圧を反映させた入力」ができるというメリットがあります。

 iPadの場合、本来、指でだいたいの位置を押して「選択」や「拡大・縮小」などを行うことを目的としたディスプレイ入力なので、絵を描くことを前提としたペン入力に、ハード面やOS面が完全には対応していないことは当たり前なのでしょう。しかし、軽く、まるでスケッチブックに描くように、自由な姿勢でペン入力ができるiPadだけに、正確なペン入力ができないことがなんとも残念です。仕方がないので今は、この問題が解決されるような、さらなるハード面での進化を期待しつつ、「静電式」でのペン入力を習熟して、より正確な線が描けるよう努めています。