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 ふと打ち合わせの中でテキストエディターに話題が及んだ。ライターやプログラマーならテキストエディターはマストアイテムだが、それ以外の人には縁のないマニアックなツールになるのかもしれない。「そうはいっても、あると便利なのにね」と話していた。

 思い起こせば、筆者が最初に購入したソフトウエアはテキストエディターだったかもしれない。「Vzエディタ」というDOS用のテキストエディターだった。学生時代のことである。

 当時の専攻は化学。物理に近い領域だったので、分数や指数など複雑な式を卒業論文に記す必要があった。今ならワープロの数式エディターを使えばいいことだが、筆者はTeXを使って書いた。「てふ」と読み、数式などを記述するための言語だ。

 TeXでは分母や分子、指数などに「ここからここまでが分母」と示す目印を前後につける。それを使い勝手のよいメモ帳でちまちまやっていたと想像してもらいたい。まさにスローな論文作りだった。なにせ数ページ分のコンパイルで30分ほどかかったのだ。書いてから見られるまでに軽くお茶ができたなんて、今から考えると驚異的なスローさである。こんなことを書くと年寄りと思われそうで少し後悔している(笑)。

 テキストエディターでTeXを経験していたせいか、エンジニアとして入社後にテキストエディターを使うのは自然な流れだった。だが同期の中にはテキストエディターの存在を知らず、与えられたパソコンにプリインストールされているWordでプログラミングしようとしている人もいた。これには驚いた。

 エンジニア経験者でないと感覚がつかめないかもしれないが、プログラミングするならワープロよりテキストエディターの方が圧倒的に向いている。例えば半角スペースと全角スペースの違い。これらを間違えるとプログラムが正常に機能しないことがあるので、見分ける必要がある。初期状態のワープロだと見分けにくいが、テキストエディターなら明確に見分けられる(なおWordでも設定すれば全角スペースを「□」と表示できる)。

 参考までにエンジニアに人気があるテキストエディターにはMIFESやEmacsなどがある。UNIXにはviがありモード切替に慣れるまでに苦労するが、使いこなせるとエンジニアらしくてかっこいい。

 それならテキストエディターはプログラマ向けかというと、そうでもない。日本語を黙々と書く人にも向いている。代表的なものに「秀丸エディタ」、(筆者がかつてお世話になったVzエディタのWindows版となる)「Wzエディタ」などがある。

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