みなさん、モバイルしていますか? モバイルと言えば「スマートフォン」という時代になりましたが、以前は「PDA」というものがありました。
PDAを覚えているでしょうか。「パーソナルデジタルアシスタント」の略と言われ、語源としては、アップルのPDA「ニュートン」が登場したときに生まれた言葉と言われています。
1990年代初頭、「スマートフォン」どころか、「iモード」もない時代に、モバイルをしたいユーザー達は悪戦苦闘していました。笑い話ですが、学生時代の私は、モバイルをしたいときには、大きなデスクトップワープロを、スクーターに載せて持ち歩いていたほどでした。
そんな時代に、モバイルユーザーが熱狂したのが「PDA」の登場です。CPUやメモリーは、今に比べると非力でした。インターネットが発達していない時代なので、通信するのも一苦労でした。グレーの公衆電話、いわゆる「グレ電」にモジュラーケーブルをつないで、ターミナルでパソコン通信をしていました。もちろん従量課金です。そんな「PDA」は、今の「スマートフォン」から比べれば、実用度は低かったかもしれません。しかし、今より何倍ものユーザーたちの「夢」が詰まっていたのが「PDA」だったのです。
PDAは、1993年発売のHP100LXの登場を皮切りに、Palm、ニュートン、Zaurus、Windows CEなど、多くのOS、多くの機種が市場に出ました。しかし、携帯電話の普及、ノートパソコンの小型化の波にのまれて、2003年ごろから市場が急速に縮小してしまいました。その後は、ガラパゴス携帯の時代が続きますが、現在は、PDAのDNAを引き継いだスマートフォンが、再びモバイルシーンの主役になろうとしています。
モバイルの一時代を作ったPDAの足跡を残そうと、オフィスマイカの呼びかけで、多くの有志たちからPDAを集めたのが「PDA博物館」です。その歴代のPDAを一同に介する「第一回PDA博物館展示会」が11月19日から21日の期間に開催されたのです。集められたPDAは200台以上。人気の高かったものから、超レアなものまで、ところ狭しと飾られていました。
そちらの展示会にお邪魔しましたので、写真でレポートします。
スマートフォンで、いつでもどこでも快適に通信ができる便利な時代になりました。しかし、PDAを使っていたあの時代の興奮を忘れることはできません。実は、今でも、あのPDAで夢見ていたことを、スマートフォンに託しているのかもしれません。そんな夢を思い出すことのできた貴重なイベントでした。