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 2011年1月9日、PC自作ユーザーにとって待望の新CPU、Intel新Core iシリーズが発売されました。日経WinPC2011年3月号の特集1「新Core i7全力テスト」では、新Core iシリーズをいち早く入手して、従来の製品と性能を比較。ほかにも従来CPUからの強化点や、対応マザーボード42製品を一挙に掲載しています。

 詳しい中身は本誌を参照していただくとして、ここでは新Core iシリーズでPCを自作する際に注意したい点についてお話しします。新Core iシリーズでは、どのCPUとチップセットを組み合わせるかが悩みの種になりそうです。それは、組み合わせによってCPUの設定範囲や使える機能が変わるからです。

 新Core iシリーズには、同時に登場した「Intel 6」シリーズチップセットが対応します。現在、一般ユーザー向け製品では「Intel P67」と「Intel H67」の2種類があります。P67は自作ユーザーに人気の「K」モデルのCPUと組み合わせると、オーバークロックの設定を自由に変更できます。一方、H67はCPUが内蔵するグラフィックス機能と、新搭載の動画ハードウエアエンコード機能「Quick Sync Video」を利用できる点が大きな違いになります。現時点では両方の機能を持ったチップセットはありません。

 従来のCPUに対応するチップセット「Intel P55」や「Intel H55」などでも、CPU内蔵のグラフィックス機能を利用できるのは後者といった差はありました。ただ、オーバークロックやハードウエアエンコードができたりできなかったりというほどの大きな違いはありませんでした。

 特集記事では詳しく紹介したとおり、H67が搭載したハードウエアエンコード機能の効果は高く、このこともこれまでよりもチップセットの選択を難しくしています。

 マザーボードメーカーの話では「新Core iシリーズに対応したマザーボードでは、P67とH67の売れ行きが6対4くらい」とのことでした。従来はP系の人気が圧倒的に高かったのですが、新Core iシリーズではH系を選ぶユーザーも多いようです。

 マザーボードの形状で比べても、P67とH67には違いがあります。下の表はASUSTeK Computerが発表したP67/H67搭載製品を、実勢価格と形状で分類したものです。P67搭載マザーボードはATX規格がほとんどで、実勢価格も1万5000円から3万円以上と比較的高額な製品が多いのが特徴です。一方、H67搭載マザーボードは小さなmicroATXがほとんどで、ATXは1製品しかなく、実勢価格は1万円前後と安価な製品が並びます。

ASUSTeK Computerが発表した、14製品のP67/H67搭載マザーボード。P67はATXのほぼ大半を占め、高額製品が多い。一方、H67はATXが1製品しかなく価格も比較的安価な製品が多い。
ASUSTeK Computerが発表した、14製品のP67/H67搭載マザーボード。P67はATXのほぼ大半を占め、高額製品が多い。一方、H67はATXが1製品しかなく価格も比較的安価な製品が多い。
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 CPUの内蔵グラフィックス機能が利用できるH67搭載マザーボードがmicroATXで多いのは分かりますが、拡張性が高いATXマザーボードを選びたい場合、H67だと選択肢が少なくなるのは悩みどころです。ちなみにGIGABYTE TECHNOLOGYのラインアップでも、H67対応のATXマザーボードは1製品しかありません。

 新Core iシリーズでパソコンを自作する際は、使いたい機能や用途をよく考えてからマザーボードを選ぶ必要があります。今後、P67とH67の機能を併せ持ったハイエンドチップセットの投入も予想されますが、しばらくはトレードオフの関係が続くでしょう。オーバークロックをとことん追求したり、負荷が高い3Dゲームを楽しんだりするならP67を、内蔵グラフィックスでも十分で安価に済ませたい人や、ハードウエアエンコードを利用したい人はH67を選択するのが現時点での選び方でしょう。