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 自作PCでは組み立て時にちょっと知っているだけで余計な手間を省けたり、うっかりミスを避けたりできるコツがたくさんあります。日経WinPC 2011年4月号の特集2「自作力アップの新実践テクニック33」では、定番のお役立ち技から、新CPUならではの応用技、家庭向けDIYグッズを使った驚きの活用術まで、多数のテクニックを紹介しています。

 今回は当初掲載する候補でありながら、掲載を見送ったネタを紹介します。それは、電源ユニットを底面に取り付けるPCケースの場合、電源の最適な向きは吸気ファンがある面を上下どちらにするのが正しいのかという問題です。最近は、従来のように電源ユニットをケース上面ではなく、底面に置く製品が増えています。その際、電源ユニットを上下どちらの向きにでも付けられる製品では、どちらが正しいのか迷ってしまいます。

 編集部で議論したところ、PCケースの底面に穴が空いていれば、電源内部に空気を送り込むため、吸気ファンがある面を下に向けるのが正しいだろうという話になりました。しかし、中にはケース底面に穴が無い製品もあり、この場合は吸気ファン面をどちらに向けるのが正しいのか議論が分かれました。

 電源ユニットやPCケースなどを製造しているCooler Masterに尋ねたところ、PCケースの底面に穴が空いていない場合は電源ユニットの吸気ファン面を上に向けるのがお勧めとのことでした。理由はPCケース内のエアフローを確保するのに加え、電源内部のエアフロー上も有利だからです。今でこそPCケースには複数のファンがあることが普通ですが、昔はファンが全く無いPCケースが多く、電源ユニットがPCケース内部の熱を背面側に放出する役割を担っていました。今でも電源ユニットはケース内部のエアフロー上、重要なパーツと考えられます。さらに吸気ファン面を下に向けると、電源内部に空気を取り込めなくなるのも問題です。

 一方、下向きが正しいと思っていた、底面に穴が空いているPCケースも、製品ごとに最適な方向が異なるという意外な回答でした。正しいと思っていた吸気ファンを下に向けると、外気を直接取り込んで冷やせるため電源の寿命を延ばせる利点があります。ただし、底面の穴の数が少ないなど、吸気効率が悪いPCケースだと、電源ユニット内に適切に空気を送り込めない恐れがあります。加えて、電源ユニット内にホコリが溜まりやすいので注意が必要とのことでした。

 ファンを上に向けた場合は、電源ユニットに取り込める空気が多くなりますが、グラフィックスボードが近くにあるときはその熱を吸ってしまい、電源の寿命が短くなる可能性があるそうです。前述のPCケース底面に穴が空いていない場合でも、グラフィックスボードが近くにあると上に向けた吸気ファンから熱を吸ってしまいますが、吸気ファン面を下に向けて全く空気が取り込めなくなるよりは、エアフローがある方がよいそうです。

 このように、使用するPCケースやパーツの構成によって、電源ユニットの最適な向きは異なるという結論に達しました。PCケースによっては、説明書に電源ユニットの向きを指示している製品もあります。その場合は説明書の記載に従いましょう。記載が無い場合は、ここで紹介した利点と注意点を考慮して決めてください。

最近は電源ユニットをケース底面に取り付けるPCケースが多い。写真は吸気ファン面を上にした例。電源ユニット内に取り込める空気の量が多く、ケース内部のエアフロー上も有利になる。ただし、グラフィックスボードから熱気が出ている場合は、一般に電源の寿命が短くなる恐れがある。
最近は電源ユニットをケース底面に取り付けるPCケースが多い。写真は吸気ファン面を上にした例。電源ユニット内に取り込める空気の量が多く、ケース内部のエアフロー上も有利になる。ただし、グラフィックスボードから熱気が出ている場合は、一般に電源の寿命が短くなる恐れがある。
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