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 このたびの東日本大震災で犠牲者となられた方々に謹んで哀悼の意をささげるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 地震も津波も言葉を失うほどの規模だった。地震列島として周到に対策をしていたにもかかわらず、自然の猛威に人間の小ささを思い知らされた気がする。ただ対策がここまで周到でなかったら、被害はまた違っていたかもしれない。人間は弱いが、今までやってきたことは無駄ではなく、またこれからできることはあると信じたい。

 目下のところ、不安は福島原発に関連した健康への影響だ。状況は日々刻々と変化しており、数値を注視していく必要がある。東京都健康安全研究センター産総研がWebで測定値を公開している。また文部科学省が公開しているデータをiPhoneから見られるアプリ「放射能情報」もある。居住地になるべく近く、信頼ある公的機関が公表しているものを参考にするといいだろう。

 すでに多くの専門家が放射線について解説している。不安が先んじて、聞けば聞くほど恐怖が増長してはいないだろうか。もちろん楽観はよくないが、過度におびえるとかえって精神衛生上よくないと申し上げておきたい。リスクは正確に把握し、状況と脅威の度合いに応じて適切に対応していくのが望ましい。

 特に「通常値の○倍」という相対的な表現より、測定値そのものの絶対的な数値で判断するようにしよう。例えば普段、部屋に砂が1粒落ちているところ、一時的に10粒に増えたからといって激しく汚染したとは言えない。「10倍」というイメージだけが膨らみ、10粒の砂を床一面に広がる泥のように想像してしまうのもよくない。もともと放射線は通常値が微々たる数字である。測定値とその影響を的確に把握する必要がある。

 ここのところ多くの専門家が貴重で有益な資料を作成し、ネットで開示してくれている。いくつかの資料を紹介しながら、放射線に関する基本的なことをおさらいしようと思う。どこからどのくらいの危険があり、どのように危険なのか知ることがいま求められているように思う。なお筆者は原子力や放射線の専門家ではないが理学部化学科卒なので、そんなに外したことは言っていないと信じてもらえたら幸いだ。