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電書雑誌よねみつ
価格:2011年全予約2000円
URL:http://denyone.6mag.net/

 現在流通している紙の書籍は、著者の側から言うと、2つのタイプに分かれる。ひとつは雑誌などに連載した原稿を書籍の形にまとめるもの、もうひとつは全ての原稿を新しく作る「書き下ろし」だ。
 雑誌は書籍にとって「孵化器」の役割を果たす重要な媒体だ。ところが、雑誌の数は減り続けている。マンガ雑誌まで赤字化しているというから事態は深刻である。
 雑誌の減少は、書き下ろしではカバーできない。書き下ろしができるのは著名な書き手や旬なテーマに限定されてしまうからだ。
 まだ数は少ないが、こうした閉塞状況を打破するための試みも始まっている。
 ひとつは、雑誌を紙からWebに移し、無料化してしまうという手法である。人気の出たコンテンツだけを書籍にして利益を得る。その利益の一部で無料のWebマガジンを回し、新人賞などで新人の育成を図る。この手法の典型例が、星海社(講談社の子会社)が展開する「最前線」だ。
 もう一方で、既存の雑誌を電子化するのではなく、ゼロベースから立ち上げる電子雑誌の試みも始まっている。
 これまで紹介したものとしては、「電子書籍」と「EPUB」をテーマにした実験雑誌「OnDeck」(インプレス)と、商業ベースのEPUB音楽雑誌「JaZZ JAPAN」(ジャズジャパン)がある。「JaZZ JAPAN」は紙との両面展開だが、紙のコンテンツをそのまま電子雑誌に移し替えているわけではないので、挑戦的な試みのひとつに数えていいだろう。
 今回ご紹介するのは、筆者も関わっている「電書雑誌よねみつ」。昨年、デジタルなものをアナログな方法(対面販売)で売る「電書」を始めた米光一成さんの実験誌だ。

「電書雑誌よねみつ」最新号の4号。EPUB版をiPadの「iBooks」で開いたところ。
「電書雑誌よねみつ」最新号の4号。EPUB版をiPadの「iBooks」で開いたところ。
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1~3号は、これまでの電書と同様対面販売で予約を受け付けたが、4号からは<a href=ネット上電書" target="_blank">販売している。">
1~3号は、これまでの電書と同様対面販売で予約を受け付けたが、4号からはネット上電書" target="_blank">販売している。
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