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 最近のスマートフォンでは、携帯音楽プレーヤーのように、俗にミニジャックと呼ばれるヘッドホン/ヘッドセット端子が付いています。普通のステレオヘッドホンを接続すると、問題なく音が出ます。しかし、本体には、別にマイクが付いたヘッドセットが付属しています。こちらは、プラグをよく見ると端子が4つに分かれています。

 ヘッドホンのミニプラグには規格があり、その形状はJISC6560で既定されています。JISC6560では、これを「単頭プラグ」と呼んでいます。プラグの外形が6.3mm(大型)、3.5mm(小型)、2.5mm(超小型)の3種類あります。

大型(写真上)、小型(写真中央)、超小型(写真下)の単頭プラグ。それぞれの直径が6.3mm、3.5mm、2.5mm
大型(写真上)、小型(写真中央)、超小型(写真下)の単頭プラグ。それぞれの直径が6.3mm、3.5mm、2.5mm
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 3.5mmのプラグは3.5φ(ファイ)プラグなどとも呼ばれます。本当はギリシャ語の「φ(ファイ)」ではなく、円の直径を表す「丸に斜線を入れた製図記号」からきたので正式には「まる」と読みます。ですが、ミリ単位で表現した直径を「ファイ」と呼ぶ人は少なくありません。製図記号として使うときには、数字の前に置くのが正式ですが、ファイで代用されたのち、単位なので数字の後ろに来たのだと思われます。そういうわけで、秋葉原などのパーツ屋に行って、「3.5ファイのプラグ」と言えば、たいていは通じます。

 大型は、ステレオセットなどに使われていて、高級ヘッドホンなどがこのプラグを採用しています。小型は、テレビやポータブル音楽プレーヤーなどに使われるもので、インナーイヤー型のヘッドホンはたいていこのサイズです。超小型は、小さな機器でたまに見かけます。2Gのころの携帯電話のイヤホンマイクは、この超小型単頭プラグを採用していました。

 大型の単頭プラグを俗に「フォーンプラグ」ともいいます。もともと、このプラグは、手動による電話交換用に作られたからです。

 ヘッドホンの場合、接続は、チップが左チャンネル、リングが右チャンネル、スリーブが共通グランド(接地)です。JISC6560は、形状を定めているだけで、信号の接続は決めていません。関連の規格にIEC 60268というのがあるようなので、そちらで決められているのではないかと推測します。JIS規格はインターネットで閲覧できるのですが、IECの規格は購入しないと見ることができず、しかも気軽に出せるほど安い金額でもないので、中身を見てないのです。

3極の小型単頭プラグ。先端からチップ、リング、スリーブの3つの接点に分かれていて、オーディオ左、オーディオ右、そして共通グランド(接地)に対応している
3極の小型単頭プラグ。先端からチップ、リング、スリーブの3つの接点に分かれていて、オーディオ左、オーディオ右、そして共通グランド(接地)に対応している
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 ヘッドセットの場合、3極の小型単頭プラグを改良して、リングを1つ増やしたもののようです。特に規格を見つけることはできませんでした。恐らく、デファクト・スタンダードなのでしょう。

 ヘッドセットは、ステレオの信号(右、左、共通グランド)にマイクが増えています。追加された2つめのリングがマイク用の信号で、共通グランドとこのリングの間にマイクが接続されています。また、たいていのヘッドセットには、通話開始用のボタンがあります。共通グランドとマイク端子をショートするようになっています。

4極の場合、2番目のリングがマイクと通話ボタンに接続している
4極の場合、2番目のリングがマイクと通話ボタンに接続している
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