時代の変化か、F1の地上波放送がBSに移動…
そろそろ暖かくなってきた。モータースポーツの季節が巡ってくる。モータースポーツの最高峰、F1(フォーミュラワン)が始まる頃だな、と思っている人も多いだろうが、今までF1を長いこと放送してきたフジテレビが何のCMもせず静かなことにお気付きだろうか。
実は今年、F1の地上波放送は取りやめになった。アイルトン・セナが活躍していた頃とか、非常に人気があった頃は、地上波放送をゴールデンタイムにやってたような記憶があるけれど、この十年来は夜中12時ごろに追いやられていた。ところがさらに、それもとうとうなくなってしまった、というわけ。台所事情ほかさまざまな事情で、フジテレビも今回の決断に至ったのであろう。
もちろんCSの有料放送での全セッション生放送はあって、本当に好きな人はそちらで見るため手段は確保されている。ただ、お金を出して生放送を観るほどではないけれど、日曜の夜中、地上波でのF1の決勝観戦を楽しみにしていた人はちょっと困るかも。
モータースポーツファンの筆者は、地上波の番組も、CS放送の番組も、両方見てきた。今までのF1地上波放送がどういうものかと言えば、元F1ドライバーやタレントなどを並べて、一般の人にも分かりやすいよう、チームやドライバーのキャラを強調したり、日本のチームやドライバーを盛り上げたり、かなり派手だった。CS視聴組はそれらの誇張に顔をしかめる人もいたけれど、まあそれなりに楽しめた。
とは言え、地上波放送の取りやめで、無料で見る手段が閉ざされてしまったわけではない。代わりに、BSの無料放送である「BSフジ」での放送が始まった。
そんなこんなで、BSでのF1初戦をチェックした。基本的にCMを入れた予選と決勝を録画で流し、CMや放送時間の都合である程度のカットも入る、みたいなあたりは昨年までの地上波と同じ。大きく違うのは、基本的にCS放送と同一の番組を流しているということ。
CS放送をそのままBSに持ってきて、編集版を録画で流すというアイディアは英断なのかもしれないな、と感心している筆者なのだ。今までのように、地上波向けとCS向けで違う番組を作らなければ製作費など少なくて済むし、CSを導入するほどではないがF1のレースはチェックしたい、というモータースポーツファンも失わずに済むし。
というわけで、「あれ、今年のF1は?」と思っていた人は、早急にBSでのチェックを。アンテナさえ立てれば、通常のデジタルテレビで無料視聴が可能なので、電器店などに頼んでみては。