PR

 フェイスブックのIPOを控えて、メディアは公開後の同社株がどれほど高くなるかといった話題で満載だ。その中でおもしろいのが、フェイスブックの共同創設者のひとりが、アメリカの市民権を放棄したという話題である。

 この共同創設者、エドゥワルド・サヴェリンは2011年9月に市民権を放棄して、すでにシンガポールの住民となっている。その理由は、IPOで手にする莫大な富に対する税金を避けるためだ。もちろん本人はそんなうわさは否定して、アジアで投資をするための足場としてシンガポールを選んだとしている。この移住の事実はごく最近になって明らかになり、アメリカ社会で賛否両論を巻き起こしている。

 サヴェリンは、マーク・ザッカーバーグとハーバード大学で出会い、一緒にフェイスブックを創設した。「マークはテクノロジー人間で、僕はビジネス人間」というのがサヴェリン流の役割分断で、当初はうまくいっていた。ところが、ビジネスの方向性についてザッカーバーグと仲違いし、その結果、2005年にサヴェリンは辞職。その後ザッカーバーグに対する訴訟も起こしたものの、和解したようだ。

 彼がフェイスブックで所有する株は、一時34%ほどもあったというが、現在は2~4%と推測されている。それでも、フェイスブックの企業価値から換算すると、IPOで20億~40億ドル(約1600億~3200億円)の資産を得る。キャピタルゲインに15%の課税をするアメリカの税法では、3億~6億ドル(約240億~480億円)を納めなければならない計算である。

 これが、アメリカ市民権を放棄するとそのための課税もあるが、数千万ドルの節約になるのだとか。出てくる単位がケタ違いなので見当もつかないが、つまりは30億円も40億円も得になるという話。もちろん資産自体は、その100倍以上あるのだ。

 サヴェリンはもともとブラジル生まれだ。父親が実業家で資産家だったため、身代金目当ての誘拐の的にされたことがあり、その危険を避けるためにアメリカへ移住したという。13歳の時である。恵まれた環境に育ち、頭脳も明晰で、ハーバード大学へ進学して、そこでフェイスブックの起業に遭遇したのだから、いいことづくしの人生である。