インターネットのどこかにデータを保管するクラウドサーバーサービス。アップルの「iCloud」がアプリとの連携を強めて徐々に使い勝手を向上させている一方で、マイクロソフトもグーグルも新しいサービスを開始した。特に4月、グーグルがサービス開始した「Googleドライブ」はサーバーにデータを置いたままWebブラウザーでデータ編集ができるという優れもの。Windows、Mac、Android機には専用のGoogleドライブアプリが登場してきているものの、iOSは近日提供となったまま、まだ登場していない。iPhoneやiPadで使えれば便利なのに、と待ちきれないユーザーのために裏技をご披露しよう。
単純にブラウザーから利用可能
アップルの故スティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)がiCloudは「単なるネット上のどでかいハードディスクじゃないよ」と強調、インテリジェントなハブとして成長し続けている。iOSやMac OSの次期バージョンではさらに、それらの連携が強まり、使い勝手の向上が期待される。iCloudはアプリの中から直接関連ファイルを読み書きしたり、編集されたら、他の情報共有している端末に変更に知らせが届いたりと、新時代のクラウドサービスとして基盤整備が進んでいる(図1)。
一方、Googleドライブはクラウド上に置いた文書をインターネット経由で直接編集できる「Googleドキュメント」の発展形だ。文書を扱うためのアプリケーションはサーバー上にあって、使うのは基本的にブラウザーを用いる。従って、iOS 3.0以降のiPhoneまたはiPadに標準装備されているフルブラウザーのSafariを使えば、基本的に利用できる。単純に「drive.google.com」にSafariでアクセスし、Googleのアカウントでログインすれば、iPadでこのように「Googleドライブ」の中身が表示され、文書の閲覧、編集作業ができる。iPadやiPhoneでアクセスすると自動的にモバイル端末に最適化されたページに誘導され、図のようなスタイルで文書がリストされる。この画面の一番下にある「モバイル|PC」の文字をタップすると、ドキュメントの表示形式を選べる。「PC」をタップするとパソコン用の画面と同じ状態で表示させることができ、この画面にすればファイルのフォルダへの分類・移動なども画面上でできるようになる(図2、図3)。
スプレッドシートも画面の小さいデバイスでの操作に配慮した「モバイル形式」で扱うか、PCと同じような編集画面で扱うか好みで選択できる。PC上で作った計算式入りのスプレッドシートすべてを滞りなく扱えるかと言うと残念ながらそうではない。たまに表示エラーになったりするが、一般的な集計表なら十分に使える。iPhoneのような小さな画面で大きなスプレッドシートを扱うのはなかなか根気のいる作業になるが、小さい画面でも確実に編集できるように、ポップアップメニューやセレクターなどを多用した画面設計になっているので、確実に作業をすることができる。逆に、小さなスマートフォンでスプレッドシートの編集が可能になったことに感動さえ覚える(図4、図5)