読者の皆さんのところにも、こんなメールが頻繁に届いている人がいらっしゃるだろう。「あと○●日でお使いのメールが使えなくなります」。長年Macを愛用し続けていて、ちょっと型落ちのモデルを使っている人には何か手当てするまでしつこく届き、これがシャクのタネだ。だって、iCloudが使えるようになるには新しいMacに買い替えるか、メインマシンをiPadに変更するかしか解決方法がないからだ。(図1)
Lionにアップグレードするのはたったの2600円だが
届くメールにはこうある。「お使いのMobileMeアカウントはまもなく終了します。iCloudに移行してください」。さらに続けて「移行の準備:iCloudのシステム要件--iOS 5、OS X Lion 10.7.2」と書かれている。
メールには、iCloudに移行するための[今すぐiCloudへ移行する]というボタンが用意されていて、それをクリックするとWebブラウザーが立ち上がり、もろもろの移行作業ができる。しかし、一般のパソコンユーザーにとって、「システム要件はOS X Lion」と書かれていても果たして自分のパソコンが対応しているのかどうか、よく分からない。MacのOSバージョンを常に追いかけているような中級以上のユーザーにとってはなんてことはなく理解できるはずの要件だが、一般のユーザーにとってはここからが難しい。
Webの移行サイトに行くと、「全ての機器をiCloud対応にし移行作業を進めてください。」との指示が出る。これがくせ者だ。
実はOS X Lionが動作するCPUはIntel Core 2 Duo、Core i3、Core i5、Core i7、またはXeonプロセッサーを搭載したものでなければならず、2006年前半以前に出荷されたiMacやPowerBookなどは新しいMacに買い替えなければならないのだ。図の表現を見ると「MacはMac OS Lion 10.7.2以降」にすればよいと書かれているが、さて、今使っているMacはLionに2600円でアップグレードできるのか? さっぱり分からない(図2)。
今、我が家で家族が使っているPowerBookはCPUがインテルに移行する前のPowerPC G4。また、iTunesサーバーとしても活躍してくれているiMacはCPUこそインテルのチップが入っているが、「Core Duo」と言われるものが搭載されていて、これらにはLion 10.7.2はインストールできない。図2のメッセージには「Macで必要なソフトウェア」としてLionにしなさいと書かれているだけで、Core Duo以前のMacユーザーに対してはなんの具体的指針も書かれていないのが「落とし穴」なのだ。